ナーランダとブダガヤ         2004年1月29日

 ナーランダにある世界最古の大学の遺跡(左)

 ナーランダは5世紀から12世紀に世界最古の仏教大学があった場所である。 玄奘三蔵も5年間 ここで過ごし、「大唐西域記」で大学の様子を紹介している。  多いときには、一万人余りの僧が寄宿していたという。  東インドを支配したパーラ朝(8〜12世紀)頃、最も隆盛を極めた。

 ナーランダの南13kmほどの所にあるラージギルは、お釈迦様の時代にのマガダ国の首都であり、  王舎城(ラージャグリハ)と云われていた。  ここはお釈迦さまにとって、布教の大きな拠点であり、時の王ビンビサーラによって寄進された 竹林精舎址やアジャセ王のストゥーパなどがある。  そののち、前正覚山に登頂後、ブッダ・ガヤへ向かう。

<ナーランダにて>


大塔を囲んで、読経する1万人のチベット僧の大集団(右)





 往時にブッダ・ガヤと呼ばれていた現在のボードガヤは、2500年前にお釈迦様が悟りを開いたと 伝えられ、仏教4大聖地の中でも最も重要な聖地とされている。  菩提樹のもとで、お釈迦様が悟りを開いたその地に、マハーボーディ寺院が建ち、 研磨砂岩の金剛玉座とボードガヤの大塔がある。  この方錐形の大塔はグプタ時代以降、歴代の改修を経て現在の様な規模に整えられた。  

 日本人の姿は見られないが、小乗仏教の地であるミャンマーやスリランカを初め、熱心な仏教徒が 五体投地の参拝を行っていて、その、信心深い態度に驚かされた。  ともすると、キリスト教やイスラム教に比べて、仏教徒の信仰心は今一歩と思っていたが、 それは、日本人にのみ当てはまることらしい。  特に、マハーボーディ寺院の境内を埋め尽くし、大塔を囲んで、声を合わせて読経する、 一万人のチベット僧の姿に接したとき、その迫力に圧倒されて、時の過ぎるのを忘れた。

<ボードガヤにて>

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