初転法輪の地、サールナート         2004年1月30日

 ムルガンダ・クティー寺院からダメークの塔を望む(左)

 仏教徒の聖地であるサールナートは、お釈迦様が初めて説法をした初転法輪の地である。  仏教が集まる遺跡公園の一画に、スリランカに本部がある仏教教会マハーディ・ソサエティが 1931年に建立した根本香積寺(ムルガンダ・クティ寺院)がある。
 寺の内壁には日本人絵師の野生司香雪がお釈迦様の生涯を描いた壁画がある。

 寺院の窓からは、お釈迦様が初めて説法を行ったといわれる地に建てられた、直径28m、高さ34mの 巨大なダーメク・ストゥーパが見える。 この塔はグプラ朝の5〜6世紀に造られたと言われている。  基部は石材、上部はレンガで造られている。

<サールナートにて>


サールナートの遺跡公園にある大寺院の遺跡(右)

   ボードガヤで悟りを得たお釈迦様が、この地、サルナートで5人の修行僧に初めて説いた真理が、 以後、世界中に広まった。 説法を法の輪(ダンマ・チャッカ)が転ずることに喩えるので、この地は 初転法輪の地と呼ばれ、仏教の聖地に一つになっている。  サルナートは、当時、仙人の住処(リシ・パタナ)・鹿野苑(鹿の薗)といわれ、今でも、遺跡の周りには 鹿の姿が見られ、奈良公園の鹿の原点であると思われる。

 寺院遺跡の横には、歴史上仏教の強力な保護者として知られているアショカ王の石柱(アショカ王柱)が 現存しており、石柱の頭頂部にあった4頭のライオン像はインドの国章にもなっている。  柱には、サンガ(僧団)の分裂を戒める11行からなるブラーフミー文字の法勅が刻まれている。

<サールナートにて>

次のページへ

インドを歩く