四万温泉を目指して、東京外環自動車道から関越自動車道に入り北上する、左手に富士山が見える。
上里サービスエリアで一服し、埼玉県から群馬県へ入る。 前橋まで4km、榛名山が正面に、間もなく、左側に大きく広がる。
渋川インターから国道353号線を走り、中之条ダムへ。 中之条ダムは利根川水系四万川を堰き止めたダムである。
ダムにより出来た人造湖は「四万湖」と呼ばれている。 ダムの高さは42m、ダムの長さ118.2mである。
ダムの形式はアーチ式コンクリートダムである。 中之条ダムは1960年に竣工した。
中之条ダムは、発電と砂防を目的に建設された。 下流にある中之条発電所まで、約3kmの導水路トンネルで水を運んでいる。
ダムカードは、中之条ダム管理所と吾妻発電事務所で配られている。
中之条ダム管理所では、配布は、6月1日から9月30日までである。
湖面にはワイヤーロープが張られ、ロープからダム側はボート乗入れ禁止エリアになっている。
四万湖の北には、赤い竹井橋が見える、この上流に四万温泉がある。 四万湖は周囲5kmほどの可愛い人造湖である。
四万湖岸には、中之条ダムを経由して四万湖の西側を通り竹井橋まで至る遊歩道がある。
四万湖の湖面は、四万ブルーと呼ばれるコバルトブルーで覆われる。 四万湖の湖水の色が、日に何度も美しく変化する。
湖水の色が変化する様は、裏磐梯の五色沼と並び称されている。
湖が青く見えるのは、赤い光は水に吸収されやすく、青い光は散乱されやすい。 目には散乱した青緑色が多く届き、水が青く見える。
上流の「四万温泉」から川に流れる成分が、青をより美しくしている
湖面の色は、太陽の光で左右されるので、最良の色に出会う機会は少ない。
四万湖では、カヌー専門ガイドが案内する「四万湖体験散歩ツアー」が開催されている。
カヌーツアーの所要時間は2時間、料金は6千五百円である。 4歳からシニアまで対象、初心者歓迎、手ぶらでOKとのこと。
ダムでは、クレーン車が湖面の流木を取り除いていた。
四万湖から、国道353号線を北上し、次の目的地である「四万の甌穴群」へ向かう。
四万湖の中之条ダム
地図の中央の矢印が中之条ダムです <群馬県吾妻郡中之条町下沢渡にて>
四万湖の風景を、下記の「四万ブルーの四万湖」のボタンをクリックして35枚のスライド写真でご覧ください。
右手にある、四万の甌穴群駐車場に駐車し、右岸を北に進むと、四万の甌穴群の標柱がある。
四万の甌穴群は、上信越高原国立公園の四万温泉口にある。 最初は、右岸沿いの国道の上から、四万川を眺めながら北に歩く。
国道353号線から、四万川を東に望む、奥が鷹の巣沢である。 甌穴とは丸い穴でポットホールともいう。
四万の甌穴も四万ブルーを発見できる場所の一つであるが、時間により見頃がある。
四万川上流、左上に、四万川に架かる秋鹿橋が見える。 甌穴は石などが回転し、岩盤と接触して侵食されて出来た丸い穴である。
渕状の穴は、円形のものが長い歳月の間に繋がったと考えられる。 これらの甌穴は、数万年もの長い月日をかけて作り出された。
甌穴は自然が作り出した大彫刻ともいえる。 四万の甌穴は、秋鹿橋から下流約130mの間にある。
四万の甌穴群は大小合わせて8個が数えられる。 四万の甌穴は、1971年に群馬県指定天然記念物になった。
四万川に架かる秋鹿橋を渡って、秋鹿林道を進むと両側の林は色づき始めている。
秋鹿林道から北西に秋鹿橋を望む。 秋鹿林道でUターンして再び秋鹿橋へ。
秋鹿林道から秋鹿橋を望む。 左に国道353号線がある。 秋鹿橋から四万川を上流に望む、この先に四万温泉がある。
秋鹿橋から四万川を下流に望む、此処から、四万の甌穴群が続く。 左が秋鹿林道、右が国道353号線である。
国道353号線から、秋鹿橋を上流に望む。 右に延びるのが秋鹿林道である。 秋鹿橋から下流に甌穴が点在する。
四万川を見下ろしながら、右岸を下流へと歩く。 甌穴群の中央にある小滝群も辺りの風景を際立たせる。
国道から河原に降りて、身近に滝を鑑賞する。 滝の周りや甌穴の周りを散策する。
四万の甌穴群を逍遥した後、更に北上して奥四万湖へ向かう。
四万の甌穴群
地図の中央の矢印が四万の甌穴群です <群馬県吾妻郡中之条町大字四万にて>
四万の甌穴群の風景を、下記の「四万の甌穴群」のボタンをクリックして49枚のスライド写真でご覧ください。
今夜の宿の四万温泉を通り越して北に進むと、四万川ダムに至る。
四万川ダムは利根川水系四万川に建設された重力式コンクリートダムである。
ダムの堤高は89.mと、群馬県が運営するダムとしては最も高い。
四万川ダムの堤頂長は330m、堤体積は51.万立方米である。
四万川ダムのダム湖は奥四万湖と呼ばれていて、下流の中之条ダムの四万湖と紛らわしい。
四万川ダムは水力発電を目的とした多目的ダムである。 ダムは19年の歳月を掛け1999年に完成した。
ダムは水力発電の他に、洪水調節、不特定水利、四万温泉郷などの上水道供給をしている。
ダムで出来た人造湖である奥四万湖の周辺は公園として整備・開放されている。
ダムの下は日向見(ヒナタミ)公園になっていて、真下から見上げることが出来る。
奥四万湖の湖水は、四万湖同様に、透き通ったコバルトブルーである。
山の緑と湖の青のコントラストは、天然湖のような様相を見せる。
奥四万湖の湖水は酸性が強く魚は見られないが、銅イオンや鉄イオンの濃度は極めて低い。
湖水がコバルトに見えるのは、金属イオンによる長波長光吸収によるためではない。
湖水がコバルトブルーを呈すのは、アロフェンのレイリー散乱によると考えられる。
レイリー散乱とは光の波長よりも小さい粒子による光の散乱である。
ダム堤の上から、90m下の日向見公園を見下ろす。
コバルトブルーに輝く奥四万湖の奥に聳えるのは、標高1454.mの赤沢山だろう。
四万川ダムの堤頂の真ん中から、堤を西に望む、左手に駐車場がある。
四万川ダムの堤頂の真ん中から、堤を東に望む、奥四万湖を右に回るとこの先に来る。
ダムの上から駐車場を望む、国道17号線から分岐した国道353号線は奥四万湖が終点である。
四万川ダムから、奥四万湖の西岸を北上すると、国道353号線の終点辺りに「栂(ツガ)の広場」がある。
目を左に向けると、下路アーチ型の赤沢橋が見える。
赤沢橋の真上に見えるのが、標高1454.5mの赤沢山だろう、右の尾根が上信越自然歩道になっている。
中央前方に、白いブロックが見える、稲包せせらぎ公園の展望台の小屋だろう。
稲包せせらぎ公園の左に見える谷は、ブノウ沢だろう。
奥四万湖の対岸である東岸は、緑・黄・赤が色とりどりである。
奥四万湖栂の広場から、湖面の四万ブルーと言われるコバルトブルーを眺める。
右に目を移すと、四万川ダムが見える。 奥四万湖は一周4kmのハイキングコースになっている。
ダム堤は一方通行なので、ドライブは右回りのみである。
四万川ダム
地図の中央の矢印が四万川ダムです <群馬県吾妻郡中之条町大字四万にて>
四万川ダム周辺の山々を、下記の「四万川ダム」のボタンをクリックして41枚のスライド写真でご覧ください。
栂の広場から、奥四万湖を右回りに走ると、四万川に架かる赤沢橋がある。
赤沢橋を渡って、東詰の空き地に駐車して橋の中央に向かう。 赤沢橋は、四万川に架かる茶色でアーチ型の橋である。
赤沢橋の中央まで歩き、四万川が源流から流れる谷を望む。
左側が栂の頭に延びる斜面、右側に赤沢山がある。 谷の奥には、1597.7mの稲包山がある。
赤沢橋は奥四万湖の北端にあり、この先は、四万川になる。 赤沢橋の影がコバルトブルーの奥四万湖の湖面に映っている。
赤沢橋の真下を覗くと、櫓を漕いでいる一艘のカヌーが見える。 赤沢橋を過ぎると赤沢川は川幅が広くなり奥四万湖となる。
青一色の湖面がカヌーを際出させる。 赤沢橋の上から、ダムの方向に奥四万湖を望む。
赤沢やすらぎ広場から湖面に半島が延びている。 赤沢橋の東詰に停めたマイカーに乗り赤沢やすらぎ広場に向かう。
2020年5月になって、吉永小百合の四万温泉でのカヌー姿のJR東日本のコマーシャルが放映された。
2018年5月16日に訪れた黒羽と、同じJR大人の休日倶楽部のシリーズCMである。
この四万ブルーを訪ねた旅行が、吉永小百合のコマーシャルの先取になったとは驚きである。
昨年の5月16日に黒羽を訪れたときは、放映直後で大勢の人が押しかけていた。
勿論、私も、「大人の休日倶楽部」のメンバーの一人である。
大人の休日のコマーシャルの放映後の現在でも、静かな時間が流れているだろう。
日本が平常な時間を取り戻せば、吉永小百合パワーが威力を発揮するかも知れない。
確かに、2017年10月27日に訪れた裏磐梯の五色沼以来の感動である。
先ほど眺めた半島の根元にある赤沢やすらぎ広場に到着する。 赤沢やすらぎ広場の展望台から、先ほどの赤沢橋を望む。
赤沢やすらぎ広場の展望台から、西に奥四万湖の対岸を望む。 ブルーが眩しい。
家内の好きな色は緑、私の好きな色は青である。 故郷が海岸だった影響かなと思う。
四万川に架かる赤沢橋
地図の中央の矢印が赤沢橋です <群馬県吾妻郡中之条町四万にて>
赤沢橋周辺の奥四万湖の風景を、下記の「赤沢橋周辺の奥四万湖」のボタンをクリックして27枚のスライド写真でご覧ください。
赤沢やすらぎ広場からせせらぎ公園へ向かう。 稲包せせらぎ公園展望台に上る、周りの紅葉は色鮮やかに輝いている。
稲包せせらぎ公園展望台から、紅葉越しに、赤沢橋を望む。 湖面の青と紅葉の赤のコントラストが絶妙である。
この辺りは、栂ノ頭の南東麓にあたる。 展望台から降りて、湖岸に向かう。
紅葉の間から湖面が見える。 園内には親水施設や湿性植物園が整備されている。 水生植物園の中を歩く。
四万ブルーを求めて、公園内を歩く。 四万ブルーは、訪れたすべての人が驚く奇跡の青と云われている。
アロフェンの微粒子が溶け込んでいてそれが乱反射するとの説や、
透明度が非常に高いので、赤い光は吸収されて青くなるとの説もある。
奥四万湖の透明度は日本で第3位、本州以南で第1位相当の値を計測されたことがある。
奥四万湖の透明度は18.5mである。 因みに、摩周湖は28mである。
四万ブルーがきれいなのは、冬から春で晴れた日の午前中とのことである。
真紅の紅葉と四万ブルーとのコントラストも素晴らしい。
誰もいない稲包せせらぎ公園をもみじの紅色を求めて歩き回る。
公園内は何処を歩いても、誰一人いない。 殆どの人は、展望台での眺めで満足しているのだろう。
公園内を約40分ほどで、巡回できたので駐車場に向かう。 目の下に、先ほど歩いた、湿性植物園の池が見える。
高台にある稲包せせらぎ展望台を目指して、池を見下ろしながら階段を上る。
紅葉の梢越しに、奥四万湖の上流側の湖面が見える。 階段を上がりきると、間もなく、稲包せせらぎ公園展望台に着く。
展望台の脇に駐車場に停めた愛車へ。
稲包せせらぎ公園を離れて、四万川ダムの東端にある駐車場へ来る。 左手に四万川ダム管理事務所が見える。
四万川ダムを西に望む。 ダムの上は一方通行になっていて、向こうに渡ることが出来る。
奥四万湖を離れて、清流四万川のほとりに建つ渓谷の宿の四万温泉「四万やまぐち館」に到着する。
建物の真下から湧き出る四万(シマ)やまぐち館の温泉は、60年以上前に降った雨が今湧き出ている。
ミネラルを含んだ四万温泉は、今や美肌の湯と呼ばれている。 夕食は四季の旬の素材を用いた、四季折々の献立を楽しむ。
稲包せせらぎ公園
地図の中央の矢印が稲包せせらぎ公園です <群馬県吾妻郡中之条町四万にて>
稲包せせらぎ公園の風景を、下記の「稲包せせらぎ公園」のボタンをクリックして52枚のスライド写真でご覧ください。