水郷潮来あやめ園       2019年6月17日



 左、前川には「前川十二橋めぐり」と呼ばれる櫓舟の遊覧船、                        右、水郷潮来あやめ園を彩る花菖蒲

 あやめ祭りを尋ねて潮来まで来て、常陸利根川の左岸から鹿島線の鉄橋を望む。  あやめ祭りが6月末まで開催されているので、インターネット情報によると、未だ花を楽しめるらしい。  前川の河口には、潮来十二橋巡りの遊覧船が並んでいる。  左岸にある水神社横の市営駐車場に駐車して、水郷潮来あやめ園に来る。  潮来は同年歳の歌手である花村菊江の「潮来の花嫁さん」が1960年に発売され、一躍有名になった。  水郷筑波国定公園の潮来では、現在、手漕ぎ櫓舟が運航中である。 櫓舟乗り場である潮来遊覧船待合所の前には、潮来の伊太郎の像がある。  「潮来の花嫁さん」と同時期に発売されえた橋幸夫の「潮来笠」も一世を風靡した。
 最初に、水郷潮来あやめ園の全貌を知るために、水雲橋に挑戦する。 水雲橋は前川に架かる橋であるが、その前に、あやめ園を跨ぐアプローチ橋がある。  アプローチ橋から西を望む、左に、東屋を挟んで雨情橋、右手に太鼓橋の水雲橋が見える。  左に目を移す、前方が思案橋、右側が前川で、櫓船が遊覧している。 東屋に通じている雨情橋を望む、橋の周りに、花菖蒲が見える。  前川は常陸利根川から分流し、北浦に交流する約4kmの川で、江戸時代から続く重要な水上通行路であった。  橋の上から東を望むと、手前に潮音橋、後に、JR鹿島線が見える。  前川には「前川十二橋めぐり」と呼ばれる櫓舟の遊覧船が運航している。 櫓舟遊覧の料金は、大人千円である。  手前には花菖蒲が咲いているが、あやめは既に落花している。
 前川を境にして、北側が古くからの集落地帯、南側が新田開発による穀倉地帯であった。  1935年に水雲橋が出来て、集落地帯と穀倉地帯が陸路で結ばれた。 水郷潮来では、昭和30年代まで町中に水路が張り巡らされていた。  水雲橋の上から右下を望むと、櫓舟乗り場が見える。 潮来遊覧船待合所の後には、水雲橋を渡るためのアプローチ橋が見える。  南に目を移すと、東屋があり、両側に雨情橋と呼ばれる橋がある。  眼下には、潮来遊覧船待合所の前に、三度笠を被った、潮来の伊太郎の像が見える。  潮来十二橋めぐりを体験するために、櫓舟乗り場に来る。 救命ジャケットの装着して準備完了である。  前川には櫓舟乗り場を真ん中にして、前川水門橋から前川橋まで12の橋が架かっている。  水雲橋の向こうから、乗船する櫓舟がやってきた。 櫓舟は、花村菊江の「潮来の花嫁さん」以来、「嫁入り舟」として観光に貢献している。
 今日のコースは、十二の橋のうちの一部を通過することになる。 昭和30年までは、嫁入り道具を積んだ和舟が水路を行くのが見られた。  昭和59年に、潮来発展のため、嫁入り船が復活された。 現在は、公募で選ばれた花嫁さんが主役で行われている。  「嫁入り舟」はイベントが行われる水・土・日の曜日に見られる。 あやめ祭りは例年5月下旬から6月下旬に開催される。  水郷潮来の文化「嫁入り舟」を後代に伝えるために、潮来市商工会青年部が力を入れている。  北岸に、潮来レストランの「和源」が見える。 潮音橋と鹿島線の鉄橋の下を通過する。 前方に、天王橋が見えて来た。  左手前方に、今年から一般開放された、「津軽河岸跡広場」が見えて来た。 津軽河岸跡は、江戸時代に津軽藩が物流拠点として使っていた。  出島橋に到着、今回の櫓舟観光はこの橋が北端になる。 前方に、まこも橋が見えて来た。  十二橋はこの後、千石橋、上米橋、前川橋と続いている。  櫓舟「天王丸」は出島橋を通過して、六丁目公民会館の前で旋回し、再び、出島橋を通過する。  この時期、乗船客はお年寄りばかりである。 左手にあやめ園が見えて来た。 あやめ園は1976年に開園された。  櫓舟は、水雲橋を通過して引き返す。 この先に、思案橋、あやめ橋、前川水門橋がある。 櫓舟乗り場に到着する。

     水郷潮来あやめ園 地図の中央の矢印が水郷潮来あやめ園です      <茨城県潮来市あやめ1丁目5にて>
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 源頼朝が武運長久を祈って創建されたという長勝寺と、客殿に祀られている常陸七福神の福禄寿とふれ愛観音

 櫓舟を降り、水雲橋を渡り、大門河岸公園に来る。 左手の道を進むと長勝寺に至る。  大門河岸公園は長細くて、その奥に稲荷大明神がある。 稲荷大明神に参拝してから、長勝寺の参道を進む。  参道脇の紫陽花は見頃である。 長勝寺の創建年代は不詳であるが、1185年に源頼朝が武運長久を祈って創建されたという。  正面に長勝寺の正門が見えて来た。 長勝寺は稲荷山と呼ばれる丘を背にした、臨済宗妙心寺派の寺院である。  正門を潜ると、参道の向こうに、長勝寺の山門が見える。 山門は1693年から13年かかって、普門院において建立された。  1700年に徳川光圀の命により、長勝寺に移築された。 山門の構造様式は三間一戸、二重ニ階門である。  山門と本堂は1984年に解体修理が行われている。
 長勝寺の境内には、勢至堂や菩提樹が見られる。 2004年1月29日に訪れたブダガヤの菩提樹を思い出す。  入母屋造り萱葺きの仏殿である、長勝寺の本堂は茨城県の指定有形文化財である。  本堂の建立年代は不詳であるが、元禄年間頃と推定されている。 仏殿には本尊の阿弥陀三尊が祀られている。  源頼朝お手植の伝説がある、創建の年号を名付けた古木「文治梅」や芭蕉の句「旅人と我名呼ばれむ初しぐれ」を刻した時雨塚がある。  1330年作の銘がある、重文の銅鐘は北条高時の寄進による。 本堂の右手を道なりに進むと、長勝寺の玄関がある。  本堂の右奥の客殿には、常陸七福神の「福禄寿」がある。 客殿に入ると、吊るし雛など飾り付けがしてある。  流石に、此処まで訪れる参拝者は少ないので、じっくり雰囲気を味わう。 客殿には、福禄寿のブロンズ像やふれ愛観音が祀られている。  長勝寺は潮来八景の一つとして、銅鐘が選ばれている。 再び、水雲橋が見える前川河岸まで戻る。
 思案橋北詰に来る。 石碑には、「此の辺り旧跡 大門河岸」の文字が見える。  思案橋は水雲橋より、前川水門側にある。 思案橋は水雲橋と共に、あやめ園に架かる二つの橋であるが、此方は平橋である。  あやめ園の上を通るアプローチ橋と共に、提灯の行列が旅情を添える。  思案橋から南西を望む、県道101号潮来佐原線に架かるあやめ橋が見える。  思案橋から北東を望む、先程渡った、太鼓橋の水雲橋が見える。 櫓舟乗り場では、多くの観光客が船出を待っている。  水雲橋を左手に見ながら、あやめ園に向かう。 あやめは既に落花しているが、今では花菖蒲も含めてあやめと呼ばれているようだ。  あやめ園に入って、花菖蒲の中を歩く。 東屋を挟んで、雨情橋が見える。 雨情橋も前川十二橋の中に含まれている。  太鼓橋の上は、未だ、観光客で賑わっている。 水雲橋の眺めを最後に潮来あやめ園を離れて、霞ヶ浦北岸を走る国道355号線へ

   長勝寺 地図の中央の矢印が長勝寺です        <茨城県潮来市潮来にて>
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 朝日峠展望公園のパラグライダーの飛行基地から小町の里へ飛び立つパラグライダー

 国道334号線沿いの、「霞ヶ浦ふれあいらんど」に寄るも今日は閉鎖していた。  霞ヶ浦ふれあいランドの池畔から南には、霞ヶ浦大橋が見える。  霞ヶ浦を挟んで、此方は行方市、対岸はかすみがうら市である。 雲が浮かぶ青空を後にして、土浦市の朝日峠展望公園に向かう。  土浦北インターチェンジからフルーツラインを北上すると朝日峠に至る。  フルーツラインから表筑波スカイラインを進むと、左手に朝日展望公園駐車場がある。  駐車場から、水郷筑波国定公園の朝日峠展望公園の展望台へ向かう。 展望公園の展望台が見えて来た。
 展望台に南側に緑の広場が広がり、関東平野が一望できる。 霞ヶ浦の最西端部が見える、右手に広がるのが土浦市の市街地である。  土浦市街地を中心に、関東平野が広がり、山らしきものは何もない。 南には東京のビル群が見える。  目を凝らすと、東京スカイツリーも確認できた。 朝日峠展望公園はグライダー基地にもなっている。  グライダーマンが布を広げて飛行準備をしている。 パラグライダーの飛行基地は全国津々浦々にあるので、目にすることが意外に多い。  多くの基地を見て来たが、展望に関しては、この地が最高である。 30年前の現職時代に世話になった秘書嬢がベテラン飛行士だった。  いよいよ、飛行開始らしい。 浮上開始。 順調に、関東平野に向って飛び出していった。  展望台は標高302m、右手の標高361mの小町山にもパラグライダーの基地がある。
 パラグライダーは、小町伝説が残る、小町山の山麓にある小町の里に消えて行った。  パラグライダーの飛行はまだまだ続くようだが、峠を降りて小町の里へ向かう。  残念ながら、小町の館も月曜日は休館日であった。  小町伝説によると、この地にやってきた小野篁と愛子の娘である比古姫が後の小野小町であると云う。  小野地区には、小野小町が越えたとされる峠や墓と伝えられる五輪塔が残っている。  小町の里から、今夜の宿のホテルルーイン土浦へ。 ホテルの窓からは夕日に浮かぶ異国風の建物が見える。  明日の土浦城址散策を考えながら眠りに就く。

     朝日峠展望公園 地図の中央の矢印が朝日峠展望公園です      <茨城県土浦市小野にて>
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