館山城と崖観音     2019年2月21日


 丸岡城を模して再建された模擬天守の館山城

 
 関東で最も早く春が来る房総半島に出かける。 道の駅「富楽里」とみやまに寄る。  道の駅では地産の野菜を求める人で大賑わいである。 館山城山公園に到着。  公園には高さ7mの御影石柱のモニュメント「光と風と夢」が立っている。  千葉県館山市の館山城山公園は八犬伝ゆかりの地である。 城山公園では早咲きの桜が満開である。  館山城が建つ高台に登ると、恋人の聖地になっている。
 高台は、関東の富士見100景に選ばれていて、北に、館山市内が一望できる。  市街地の左には、館山湾が広がっていて、海上にT字型の館山夕日桟橋が見える。  中央に赤い屋根の「渚の駅」たてやま・渚の博物館が見える。 右手に北条海岸が延びている。  左に目を移すと、前に館山港、館山湾越しに大房岬、左に鷹之島の森が見える。  海上自衛隊館山航空基地の左に沖ノ島、右に鷹之島がある。  恋人の聖地の展望台から館山城へ向かう。
 里見城の前には、里見城跡の石碑と里見の千力猿がある。  館山城は1580年に里見義頼により築城されが、1614年に館山藩は取り潰され廃城となった。  現在の天守閣は、1982年に丸岡城を模して再建された模擬天守である。  この天守は現在、館山市立博物館(八犬伝博物館)として利用されている。  現在の館山城は、城郭構造は連郭式山城で、複合式望楼型3重4階である。  館山城は八犬伝博物館と称し、南総里見八犬伝に関連した資料を展示している。  観覧料400円を支払って館内へ。 江戸時代後期に曲亭馬琴によって著わされた「南総里見八犬伝」について学ぶ。  南総里見八犬伝の主役である、飼犬の八房と育ての親である狸が展示してある。
 館山城の最上階にある展望室へ。 北を望むと館山市の市街地が広がる。 右手に、NTT東日本館山営業所の赤と白の電波塔が見える。  左に目を移すと、館山湾に浮かぶ館山夕日桟橋の付け根にたてやま・渚の博物館が見える。  更に左を見ると、正面に館山港、左下に館山市立館山小学校、左手中央の空地に海上自衛隊館山航空基地が見える。  館山市立館山小学校、左に、館山幼稚園 、南西を望む、州崎に続く山々が連なる。  南東には、浅間神社が見える。 日本全国、富士山が見える所には何処でも浅間神社がある。  東を望むと館山市の市街地が見え出した。 左手中央に館山病院が見えて来た。  再び、NTT東日本館山営業所の電波塔が見えて来て、一周したことになる

     館山城 地図の中央の矢印が館山城です      <千葉県館山市館山にて>
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     磨崖仏として、十一面観世音菩薩が刻まれている崖観音

 館山城から下って、彫刻の径を通り、居並んだ彫刻を見ながら博物館の本館へ。  彫刻の径には彫刻が並んでいる。 山本正道の「こだま」、 伊東傀の「水着の女」、 一色邦彦の「慈・愛・訓の像」、 大国丈夫の「動」、山崎英五の「地を這うものども」、菊池一雄の「飛天」、 青木三四郎・下川昭宣・酒井良の「光と風と夢」、柳原義達の「道標・鴉」が目に付いた。  館山市に関する郷土の歴史と民俗の博物館である、館山市立博物館本館に到着する。
 本館では史実の里見氏をメインに展示するほか、安房地方の歴史や民俗資料を展示している。  歴史展示室を覗くと、縄文時代の生活が紹介されている。  特別展「房州と江戸・東京 海を行き交う人・モノ・文化」を開催中。   房州と江戸・東京を繋いだ舟の模型が展示されている。 館山市立博物館を最後に、城山公園後にする。  城山公園から、次の目的地である崖観音の大福寺に来る。  本堂への石段を登ると、背後に、館山湾が広がる。  大福寺は館山市船形にある、真言宗智山派の寺院で、境内には崖造りの観音堂がある。
 大福寺本堂に参拝。 大福寺は717年に行基が地元漁民のために観音像を刻んだことが始まりと云われている。  本堂の左手奥の崖の上に、観音堂が見える。 観音堂は天台宗の僧慈覚大師が建て、寺を興したと云われている。  2015年から耐震補強、屋根の葺き替え、朱の塗り直しなど大規模な改修工事が行われ、2016年7月に参拝受付が再開された。  観音堂を眺めていると、2006年10月9日に訪れた、国宝の三仏寺の投入堂を思い出す。  三仏寺の投入堂は崖の下迄しか近寄れないが、大福寺の観音堂は上ることが出来る。
 崖には磨崖仏として、十一面観世音菩薩が刻まれている。  観音堂内陣の自然の崖に刻まれた十一面観音立像は、像高が131mである。  観音堂に上ると、中央に、船形海水浴場の堤防、その下に諏訪神社の鳥居が見える。  左にめを移すと、正面に船形の集落が広がり、右手の海の中に平島に立つ灯台が見える。  大福寺崖観音の十一面観世音菩薩に参拝した後、観音堂の高所から、周りの景色を遠望する。  右手、平島に立つ灯台の彼方に見えるのが沖ノ島、左手の赤い灯台が船形漁港。  南を望むと、中央の白い建物の小林病院、その後に、鏡ヶ浦の那古海岸、北条海岸が見える。  帰りに左隣にある諏訪神社に寄る。 本殿と拝殿は、2017年3月4日の放火により全焼した。  諏訪神社の石段を降りながら、観音堂を見上げた後大福寺を後にする。

   崖観音 地図の中央の矢印が崖観音です        <千葉県館山市船形にて>
館山市立博物館本館と崖観音を、下記の「館山市立博物館本館と崖観音」の
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