竜神大吊橋     2018年10月30日


 磯原温泉の磯原シーサイドホテルにて

 
 磯原シーサイドホテルにて、二日目の朝を迎える。  部屋の中で聞く波音の大きさに比べて、海面は穏やかである。  ホテルのマスターの話では、波音は上に反射するので、上の部屋ほど大きいとのこと。  東の空の赤みが増してきた。 北の島と南の島の二つからなる「二つ島」は北の島だけが目に入る。  急峻で草木の繁る北の島は南岩肌に海鵜が繁殖している。  一方、波に浸食され、草木も無い南の島はその存在が定かでない。  二つ島は、先の東日本大震災により、島の大きさも以前の3分の2になった。
 シーサイドホテルは海岸の近くに建っている。  最近では、唐津シーサイドホテル、奥城崎シーサイドホテルに宿泊したが、無関係らしい。  部屋の窓から眺めると、右側に陸前浜街道が見える。  先に行くと野口雨情記念館があるが、震災で今も閉鎖中である。  磯原海水浴場の南に、光圀命名の標高21.2m、県内2番目の低山である「天姫山」が見える。  西側に目を移すと、陸前浜街道に並走して、常磐線が走っている。  ホテルから西側を望む。 左右に常磐線が見え、その後に丘が広がっている。  ロビーから外に出て、北東を望むと、右に二つ島、左に五浦海岸の岬が見える。  プールの水は澄んでいる。 夏はこのプールが活躍するらしい
。  南を望むと、プール越しに、磯原海水浴場、その向こうに天妃山が見える。  今日の予定は、北に見える五浦海岸を最初に訪れる積りである。  朝食も、二つ島の北の島を見ながら頂く。  磯原温泉は、詩人の野口雨情が生まれ育った雨情の里として知られている。  温泉の泉質は無色透明で、肌がすべすべするアルカリ性らしい。  源泉の温度は20度、硫黄泉(含硫黄-ナトリウム-塩化物泉)とのことである。  磯原シーサイドホテルを出て、昨日の道を戻り、五浦海岸に向かう。

     二ッ岩 地図の中央の矢印が二ッ岩です      <茨城県北茨城市磯原町磯原にて>
磯原シーサイドの風景を、下記の「磯原シーサイド」の
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     五浦岬公園から景勝地の五浦海岸を望む

 国道6号陸前浜街道を北上し、右折して五浦三崎公園に到着する。  五浦三崎公園には、大津岬灯台と東日本大震災の展望慰霊塔がある。  海を望む丘の上に、映画「天心」のロケセットの建物がある。  天心ロケセットは北茨城にて晩年を過ごした岡倉天心をモデルにした映画のセットである。  五浦岬公園から北を望むと、景勝地の五浦海岸が見える。  展望慰霊塔と五浦海岸の真ん中にある、五浦岬公園展望台から、五浦海岸を望む。  左手に六角堂が見える。
 五浦岬公園から、旧天心邸などがある「天心遺跡」に向かう。  受付の長屋門から「天心遺跡」の中に入ると、左手に天心記念館があり、奥に、「旧天心邸」がある。  旧天心邸から更に海岸へ進むと、五浦海岸に面して「六角堂」が建っている。  六角堂は明治38年に竣工され、2012年に復元再建された。  六角堂の東屋は、中国文人庭園では岩を見るためのものであるが、 天心は、大波を観るために六角堂を造ったらしい。
 天心遺跡は、国立大學法人 茨城大学五浦美術文化研究所が管理している。  五浦海岸は「関東の松島」と云われ、大小の入江、大小の磯、高さ50mの断崖絶壁からなる。  五浦とは、小五浦、大五浦、椿磯、中磯、端磯の五つの浦からなっている。  五浦海岸は日本の渚百選、日本の音風景100選、日本の白砂青松100選、日本の地質100選に選ばれている。  この辺りは、東日本大震災で被害を受け、建設当時の六角堂も流失消滅した。  五浦海岸は、六角堂を中心に、北側が大五浦、南が小五浦と呼ばれている。  北茨城五浦海岸から次の目的地である竜神大吊橋に向かう。

   五浦海岸の六角堂 地図の中央の矢印が六角堂です      <茨城県北茨城市大津町にて>
五浦海岸の風景を、下記の「五浦海岸」の
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 約33億円の費用を投じて建造した竜神大吊橋

 
 五浦海岸から国道461号線を西走し、竜神峡へ。  竜神峡は竜神川の浸食によって形成された渓谷である。  渓谷には、竜神川を堰きとめて造られた竜神ダムがあり、竜神湖と呼ばれるダム湖がある。  駐車場は右岸に4個所あり、全部で、420台の乗用車が駐車できる。  竜神湖の上には、全長375mの観光用の歩行者専用有料橋の竜神大吊橋が架かっている。  ふるさと創生事業の交付金など、約33億円の費用を投じて建造し、1994年に完成した。  2006年に大分県の九重「夢」大吊橋が完成する迄、日本一の長さであった。  2015年に全長400mの三島スカイウォークが完成したため、本州最長規模の橋の座も失った。  三島スカイウォークは今年の3月12日に行って来たが、九重「夢」大吊橋は未訪問である。
 左下に、堤高45m、堤頂長90mの竜神ダムが見えて来た。  竜神大吊橋は、竜神湖の湖面からの高さが100mもある。  橋の上からは阿武隈高地や八溝山地の山並みが見渡せる。  竜神大吊橋には交通用としての機能は無く、専ら、観光用である。  竜神大吊橋北岸側には100m下の湖面まで続く階段が設けられている。  券売所から竜神大吊橋を渡り、湖面まで下りて、竜神ダムの堤の上を歩いて戻るハイキングコースがある。
 ダム湖上流の渓谷には古い滝壺が変化して生じた亀ヶ淵など無数の瀬や淵がある。  竜神峡の流域には竜が棲んでいたという伝説も伝わっている。  全長375mの竜神大吊橋を渡り、橋の北端から南端を望む。  竜神大吊橋は日本最大級の高さからのバンジージャンプを売りにしており、テレビのバラエティ番組でも紹介されている。  展望台から、若者達のバンジージャンプを見物した後、今夜の宿に向かう。

     竜神大吊橋 地図の中央の矢印が竜神大吊橋です      <茨城県常陸太田市天下野町にて>
竜神大吊橋を、下記の「竜神大吊橋」の
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