宿泊したプチホテル「ユーフィール」を出て、ツツジの名所である八幡園地に向かう。
塩原温泉から東会津街道、県道の矢板那須線を経由して、那須街道に入り、那須甲子道路を経て八幡園地へ。
八幡自然研究路の入口から園地に入り、北東に向かって歩く。 ツツジの開花情報を便りにやってきたが、今が一番の満開である。
那須高原自然の家が八幡園地に隣接していて、県営無料駐車場がある。 園地の背後に、那須甲子道路の大丸・北温泉への分岐点がある。
駐車場から300mほど歩くと、分岐点があり、右折して中央展望台に向かう。
更に300mほど歩くと、目の前に中央展望台が見えて来た。
この展望台は園地内で数ある展望地の中で八幡のツツジ群生地の中央に位置している。
中央展望台から西を望むと、八幡温泉 絶景の宿「一望閣」が見える。
一望閣の背後には、那須連山が広がっている、右手に茶臼岳が見える。 那須連峰は、茶臼岳から左に、南月山、白笹山と続いている。
中央展望台の上から周りのツツジを見渡す。 中央展望地の中にあるベンチで一休みし、周りのツツジを眺めた後、木道を東に向かう。
中央展望台から東に300m程歩くと、八幡園地の東にある北展望台に到着する。 展望台は先客で溢れている。
八幡園地は標高1100mの八幡崎高原にある。 木道の後方に、那須連峰が見える。 茶臼岳の右側に、標高1896mの朝日岳がみえる。
八幡ツツジは「とちぎの景勝100選」に選ばれたツツジの群生地である。 八幡ツツジは「かおり風景100選」にも選ばれている。
八幡園地は5月中旬から6月下旬にかけて、ヤマツツジ、レンゲツツジ、サラサドウダン等の花が咲く。
ヤマツツジは赤や紅紫色の花を咲かせ、山麓から高原に広く見られる。 那須の八幡でヤマツツジの大集落を見ることができる。
サラサドウダンは高原から亜高山で見られるツツジで、花は鐘形で枝先に集まって咲く。
ツツジの他に、那須に咲く花は、「ハルリンドウ」があり、日当たりのよい草地の地際に生える。
ハルリンドウは数本集まった花茎の先に一つずつ青い花が咲く。
エゾリンドウも茶臼岳周辺に多く見られ、花茎の先に複数の青紫色の花を咲かせる。
木道は北展望台までで、その先は山道になる。 八幡のツツジの面積は13ヘクタールと云われている。
八幡のツツジの南側に、10ヘクタールの牛の放牧地跡があり、そこでもツツジを観賞できる。
北展望台を後にして、更に東に歩くと分岐点がある。 分岐点から左折すると、出発地点の那須高原駐車場に戻る。
分岐点で右折して、ツツジ吊橋を目指す。 那須高原線歩道は、那須連山の主峰茶臼岳の南東の八幡県有林内に位置する。
那須高原線歩道は、那須自然研究路の一部をなす歩道である。
北展望台の分岐点から500mで更に分岐点があり、左折してつつじ吊橋に向かう。
山道が木道に変わった。 八幡南つつじ集落に向かっている。 この付近は近年まで那須駒や牛の放牧地として利用されていた。
ツツジ類は有毒植物であるので、放牧された家畜が食べなかったため、
ツツジ類だけが残り、現在の広大なツツジ群落の景観を形成した訳である。
木道の脇に「那須の自然を感じてみよう」と題した説明板が建っている。
説明板によると、元放牧地に咲く花は、牛馬に食べられずに残った朱色の花を咲かせる「レンゲツツジ」が多い。
那須高原自然の家
地図の中央の矢印が那須高原自然の家です <栃木県那須郡那須町湯本にて>
八幡のツツジ群生地の風景を、下記の「八幡のツツジ群生地」のボタンをクリックして48枚のスライド写真でご覧ください。
八幡のつつじ集落では、ヤマツツジ、レンゲツツジなど、10万株のツツジが咲く。
八幡南つつじ集落の中には、つつじ吊り橋に向かう木道が2本ある。
つつじ吊り橋の手前に分岐点があり、左に行くと「八幡南つつじ集落」、右に行くと八幡園地の「八幡つつじ集落」である。
シロヤシオの向こうに「つつじ吊橋」が現れる、シロヤシオは山地の林内や岩場に見られるツツジである。
シロヤシオ(ゴヨウツツジ)は那須で広く見られ、中の大倉尾根には、見事な大集落がある。
その名前は、枝先に葉が5枚輪生することからきていて、白い花を咲かせ、山麓から高原に生息するツツジである。
シロヤシオは愛子内親王殿下の身の回りの持ち物に入れる目印「お印」に選ばれた。
吊橋からの眺めの中に、赤やピンクを期待していたが、緑一色の世界である。
つつじ吊橋は橋長が130m、無補剛桁歩道吊橋としては、県内では、320mのもみじ谷大吊橋に次いで二番目に長い吊橋ある。
つつじ吊橋は苦戸川に架かり、八幡のツツジ群落と殺生石を結んでいる。
苦戸川からの橋の高さは38mで、県内では100mの「瀬戸合峡わたらっしゃい吊橋」に次ぐ2番目に高い吊橋である。
橋は体重70kgの人が560人乗っても耐えられる頑丈な造りになっている。
つつじ吊橋を往復してきて、再び、八幡南つつじ集落の中に入る。
八幡地区で飼育されていた農耕馬は、那須駒と呼ばれ、1950年代には4000頭ほど飼育されていた。
農業の機械化に伴い飼育頭数は減少し、放牧地は樹林へと姿を変えた。
ツツジ園地の開放的な雰囲気は放牧地の名残で、那須駒の面影を感じることができる。
那須駒は農耕馬で、短くがっしりとした脚と、大きな蹄、小さなかわいらしい目が特徴である。
当時は那須駒が車道に顔を出すほどで、利用者と触れあう姿も見られた。
ヤシオツツジは那須高原、塩原などを中心に県内の山岳一帯に見られる。
ヤシオツツジの花色は、淡紅色、白色、濃紅紫色がある。
淡紅色はアカヤシオ、白色はシロヤシオ、濃紅紫色はムラサキヤシオと呼ばれる。
アカヤシオの花期は4月から5月、高さは2から6m、花の大きさは5から6cmである。
見応えのあるツツジに誘導されて、木道から山道に出て、八幡南ツツジ集落西の境界を歩く。
開花時期と晴天、シーズンで1,2回しかない日を狙っての散策である 今日は目論見通りに、素晴らしい景観だった。
昨年訪れた「つつじが岡公園」も素晴らしかったが、雄大さでは八幡つつじが上回る。
2013年4月15日に訪れた佐世保市の「長串山公園」の躑躅を思い出す。
2004年5月12日に訪れた、葛城山のヤマツツジも想い出の一つである。
急な階段を昇ると、間もなく、那須高原駐車場に到着する。
八幡のつつじ群生地を散策した後、那須高原の峠の茶屋まで足を伸ばす。 那須岳「峠の茶屋」は日光国立公園内にある。
背後に朝日岳が見える。 朝日岳の東にあるのは、標高1616mの鬼面山だろう。
「峠の茶屋」に入ってお勧めの地産の牛乳を頂く。
峠の茶屋から北に少し歩くと、那須岳の登山口があり、小学生が大挙して降りて来た。
鳥居には「山之神」の文字が見える、奥に祠がある。 両側に狛犬が控えている、この先へと登ると、茶臼岳への登山道になる。
那須岳峠の茶屋を最後に那須を離れ、今夜の宿のホテル「アジサイ」に向かう。
つつじ吊橋
地図の中央の矢印がつつじ吊橋です <栃木県那須郡那須町湯本にて>
八幡南つつじ集落の風景を、下記の「八幡南つつじ集落」の
ボタンをクリックして49枚のスライド写真でご覧ください。