行徳散策      2017年9月18日


   江戸川に架かる行徳橋から、篠崎緑地越しにスカイツリーを望む

 江戸の面影を尋ねて、地下鉄東京メトロ東西線の行徳駅で下車する。  行徳は、かっては塩と舟運で栄えた天領だった。  行徳駅の北口に出て、行徳駅前通りを北西に進むと、右手に、押切稲荷神社がある。  神社の創建年代は不詳であるが、現本尊は350年程前に鎮座していたものだと云う。  本殿の脇には、高さ20mの第19号保存樹木の銀杏があり、幹に千寿微笑面が飾ってある。  押切鎮守稲荷神社本殿は綺麗な建造物で、御尊体は、850年前に鎌足義政が作った十一面観世音菩薩である。  稲荷神社から、裏手に回ると光林寺がある。  光林寺は、浄土宗の寺院で、行徳・浦安観音霊場三十三ヵ所の21番である。  寺は、田所源左エ門信義大禅定門が開基で、三覚村了上人が開山となり、天文年間に開創された。
 光林寺の北には、吉原の遊女の悲恋を伝える「おかね塚」がある。  おかね塚に隣接して、行徳・浦安観音霊場三十三ヵ所20番札所である、浄土宗寺院の清岸寺がある。  清岸寺から更に北に進むと、行徳寺町に440年以上の歴史を刻む密教寺院の徳蔵寺がある。  徳蔵寺を始め、この辺りの寺院は、1917年の大津波の災害により多くの物が失われている。  徳蔵寺から行徳街道を横切って、旧江戸川左岸に出る。  旧江戸川の対岸を望むと、左てに、篠崎ポンプ所の建物や王子製紙江戸川社宅がある。  この辺りは、江戸時代、新河岸の船着場として賑わった。  旧江戸川の上流を望むと、左手に、王子マテリア江戸川工場の煙突、右に、常夜灯公園が見える。  常夜灯公園の前に立つ常夜灯は、日本橋と行徳間の航路の安全を祈願して、1812年に、成田山に奉納されたものである。
 残暑の中、公園の前にある休憩所でカキ氷を頂く。  正面の王子マテリア江戸川工場の煙突の前に、水辺のスポーツガーデンがある。  旧江戸川の左岸を上流に向かって歩く。 対岸に、山陽造船のドッグが見える。  上流には、江戸川区スポーツランドの水色の建物、中央右に、江戸川水門のそば、国土交通省が管理する土地の一角に立つ鉄塔が見える。  江戸川水閘門は、航路確保のため、水位を調節している。  河原の船着場跡から行徳街道に出て、行徳橋の南詰に至る。  江戸川の下流に新行徳橋、上流に京浜道路が走る江戸川大橋が見える。  大橋の左には、篠崎水門の横にある、江戸川河口出張所に立つ赤と白の鉄塔が見える。  江戸川と旧江戸川の分岐点は河岸が緑地公園になっていて、行楽に訪れる車が目に付く。  江戸川に架かる県道6号市川浦安線の行徳橋の中央まで歩く。
 行徳橋は別名行徳可動堰で、ローリングダムとして知られている。  行徳可動堰は1957年に塩害防止と水位確保のため建設された。  江戸川右岸の遠方に見えるのは、市川駅の南側にある、双子のタワーのザ・タワーだろう。  江戸川大橋は、首都高速7号小松川線が通っていて、東名から千葉に抜ける時に何時もお世話になる。  江戸川右岸には、篠崎緑地が広がり背後にスカイツリーが見える。  行徳橋から行徳街道を南に戻ると、左側に河原春日神社がある。  寺町通りの標識に従って、交差点で左折すると左手に、日妙上人が1279年に創建した妙頂寺がある。  寺町通りは両側に寺院が並んでいる。 妙頂寺の横にある徳願寺には、宮本武蔵筆と伝える書画がある。  寺町通りを東に進み、県道6号市川浦安線のバイパスを横切り、更に東に歩くと右手に行徳小学校がある。  地下鉄東西線の妙典駅に到着。 残暑が厳しいので早々に帰路に就く

     行徳橋 地図の中央の矢印が行徳橋です      <千葉県市川市河原にて>
行徳の風景を、下記の行徳散策のボタンをクリックして41枚のスライド写真でご覧ください。

次ページへ

最近のウォーキングより