猿島と記念艦三笠      2017年5月19日


    噴水池の中央に東郷平八郎司令官の銅像が立つ三笠公園

 猿島探索を目指して、秋葉原で乗換えて山手線で品川へ、京浜特急本線で横須賀中央駅へ。  京急横須賀中央駅東口から東口ペデストリアンデッキへ出る。  横須賀は米軍基地の街らしく、東口ペデストリアンデッキの東端に軍人らしき像がある。  東口ペデストリアンデッキから北ヲ望むと、県道26号線横須賀三崎線が見える。  横須賀大通りを北西に歩く。 若松町交差点から、左手にアーケイド街のミカサショッピングプラザが延びている。  ショッピングプラザの前の交差点で右折し、横須賀郵便局前交差点に出ると、 右手、市役所前公園の向こうに、横須賀市役所が見える。  横須賀街道の横須賀市役所交差点で左折してよこすか海岸通りへ。 海岸通りを横切って、右手の路地に入り三笠公園へ向かう。
 三笠公園通りに出て、右折して東に向かうと左手に、1984年に横須賀市で誕生した大型帆船「日本丸」の模型がある。  通りには、雨宮敬子の彫刻「出合い」がある。 公園に近づくと、左手に、 作詞者の茶木滋の「めだかの学校童謡碑」がある。  三笠公園へ、円形噴水池と記念艦三笠が見える。 噴水池の中央には、東郷平八郎司令官の銅像が立っている。  日本海海戦に参戦した三笠は、当時、最先端の戦艦で、東郷司令官が乗艦指揮する旗艦であった。  記念艦三笠の前には、世界3大行進曲の一つといわれている行進曲「軍艦」の碑がある。  記念艦三笠の船首には、戦時中に、良く目にした、菊の御紋が見られる。
 三笠公園は、水と光と音をテーマにした自然公園で、海に臨んだ公園内には、複数の噴水や野外ステージ・芝生広場がある。  公園の中央広場と芝生広場の間には「さざなみ階段」や半円形の「サブモニュメント」がある。  三笠公園の北側には、米軍横須賀基地が広がっている。 横須賀基地には海上自衛隊の自衛艦隊司令部も置かれている。  横須賀基地に隣接して、在日米軍司令部や極東海軍施設部隊が置かれている。  米軍横須賀基地は第7艦隊に所属する原子力航空母艦「ロナルド・レーガン」の事実上の母港になっている。  公園のメインモニュメントで高さ18mのステンレス製のアーチは、太陽の光で色の変化が楽しめる。  三笠公園は「日本の都市公園100選」「日本の歴史公園100選」に選ばれている。  猿島への渡航時間が迫ってきたので、三笠桟橋に向かう。

     記念艦三笠 地図の中央の矢印が記念艦三笠です      <神奈川県横須賀市稲岡町にて>
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 東京湾唯一の自然島で、無人島でもある猿島

 乗船する猿島渡航船は、2014年に周航した新造船の「シーフレンドゼロ」号で、 総トン数19トン、定員は平水236名、沿海94名である。  猿島への乗船料金は往復で大人1300円、小学生650円である。  乗船の時に、猿島航路乗船料とは別に「猿島公園入園料」が200円徴収される。  渡航船は毎時間に一本、一日に9本運航している。 三笠桟橋を後にして猿島に向かう。  左手の新港埠頭には夥しい数の乗用車が並んでいる。 新港埠頭から輸出される富士重工の車だろう。  海上から遠望してみると、在日米軍の海軍基地が如何に雄大であるかが分かる。
 海上に浮かぶ無人島の猿島が近づいてきた。 猿島は東京湾唯一の自然島で、無人島でもある。  猿島は船で約10分、横須賀沖1.7kmの距離の海上にある。   遊覧船シーフレンドゼロは、総トン数19トン、定員は平水236名、沿海94名である  猿島桟橋が近づいてきた。 猿島桟橋の右には、猿島唯一の砂浜である「砂鉄の浜」が広がっている。  猿島は豊かな自然と歴史遺産が残る無人島として最近人気が上昇中である。  猿島桟橋に到着する。 砂鉄の浜では、BBQをすることができる。  西海岸は断崖が続き、立ち入り禁止になっている。 猿島の標高は約40m、周囲は約1.6kmである。  猿島桟橋を渡って、砂鉄の浜へ、いよいよ猿島上陸である。
 乗客が下船すると、シーフレンド零は直ぐに三笠桟橋に向かって引き返す。  レンタルショップで、BBQに必要な機材・道具は入手できるが、猿島では食材の売買は行っていない。  据付の杖を借りて無人島探索。 先ず最初に、1895年建設の発電所である電気燈機関舎がある。  坂を登ると、露天掘り幹道になり、最初にレンガ造りの「兵舎1」がある。  切通しの右側には、国の史跡の指定されている、レンガ造りの旧要塞施設が並んでいる。  旧要塞施設は、兵舎1、弾薬庫1、兵舎2、弾薬庫2と4つ並んでいる。  猿島要塞は明治時代中期に明治政府が建造した。 総ての施設が岸壁を掘り込んで造られている。

猿島への風景を、下記の「猿島へ」のボタンをクリックして35枚のスライド写真でご覧ください。  


    トンネルの壁沿いに壁を掘り込んだ二階建ての部屋の要塞施設

 露天掘り幹道の先は、トンネルになっている。  アーチ状のトンネルの入口は、弾薬庫などと同様に、フランス積みのレンガ構造物である。  トンネルの壁沿いにも、壁を掘り込んで二階建ての部屋が造られている。  壁沿いの部屋は、兵舎や弾薬庫のほか、病室や司令室も設けられていた。  要塞施設は愛知県産の品質の高い赤レンガを用いて、明治時代中期に建造された。  弾薬庫4があるトンネルを抜けると、猿島の北端に出る。  猿島の北西端に向かう、猿島には5座の砲台跡地がある。  日本が鎖国をしていた19世紀中頃、江戸幕府は異国船の江戸湾進入を防ぐため大砲を据える台場を建設した。  猿島に台場が建設されて以来、要塞の島としての歴史を歩み始めた。
 台場の海岸寄りに、島の北西の岩場に降りる階段がある。 階段からは、青い海の向こうに、房総半島の山々が見える。  海岸近くまで階段を下りると、古代住居跡の洞窟がある。 この洞窟に日蓮上人が、21日間篭ったと云う伝説が残っている。  猿島北西端の岩場は「ヨネノ根」と呼ばれている。 ヨネノ根は潮周りが良く、魚種が豊富な一級の釣り場ポイントである。  ヨネノ根にある「日蓮洞窟」は弥生時代中期から古墳時代後期(約1400年から2000年前)に利用されていた。  洞穴内には貝塚が残され、火を炊いた跡も発見された。  日蓮伝説によると、1253年5月に、日蓮上人が船で房総から鎌倉に向かった海を渡る途中で嵐に遭い、 船の進む方向も分からなくなった。  その時、近くの島に避難したところ、一匹の白猿が現れた。 猿は日蓮上人を島の奥に案内した。  そのような訳で、この島に「猿島」という名が付いたと言い伝えられている。
 猿島は東西約200m、南北約450mの自然島である。  猿島の総面積は、約55,500平方米で、横浜球場の約4倍である。  ヨコネ根から見る青い海に癒されたから、再び砲台跡へ戻る。  島の北東端、東に突き出た「オイモノ鼻広場」へ。 広場は卯ノ崎台場跡で、南を望むと観音崎と観音崎灯台が見える。  馬場海岸の方向を望む。 左端の山の上に、久里浜火力発電所の煙突の突端が見える。  オイモノ鼻広場から階段を下りてオイモノ鼻の岩場へ。  オイモノ鼻は比較的足場が良い磯で、房総半島が一望できる左端に、住友重機横須賀製作所のクレーンらしきものが見える。  東京湾を北に望む、第二海堡、第一海堡らしきものは発見できず房総半島が見えてきた。 観音崎が右端に現れる。  正面の丘の上に塔らしきものが見えるところが防衛大学である。  

猿島 地図の中央の矢印が猿島です      <神奈川県横須賀市猿島にて>
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 主砲の30cm砲を前方に突き出している連合艦隊旗艦三笠の雄姿

 オイモノ鼻広場に戻り、階段を登って展望台広場に到着。  展望台は現在立ち入り禁止になっているが、広場からは横須賀の街が身近に見える。  正面に横須賀海軍施設の建物が広がる、左手が三笠桟橋がある新港である。  展望台広場から林の中を歩いて、島の南端にある春日社跡広場へ。  春日社跡広場からは、目の前に横須賀市街が広がっている。  浦賀水道を南東に望む。 背景は房総半島の山々、先ず、観音崎が現れる。 正面が馬場海岸、丘の上が防衛大学である。  中央の防衛大学の背後、丘の向こうに浦賀駅がある。 春日社跡広場から砂鉄の浜へ。  遊覧船に乗船して猿島を後にする。 左手に、横須賀新港が近づいてきた。 三笠桟橋に到着、下船開始。
 次は、三笠桟橋に隣接する「記念艦三笠」へ。   先ず、甲板に上がる。 三笠桟橋前のランドビュータワー横須賀オーシャンフロントなどのマンション群が目の前に。  先程、乗船した猿島への定期船のシーフレンドゼロが見える。  三笠には、30cmの主砲4門、15cmの副砲14門を搭載している。 大砲の先に、先程の猿島が見える。  記念艦三笠は英国のヴィクトリー号、米国のコンスティチューション号と共に、世界の三大記念艦として知られている。  三笠は全長122m、幅23m、排水量15,140トン、速力18ノットである。  三笠は世界海事遺産賞を受賞し、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに掲載された。
 戦艦三笠は敷島型戦艦の四番艦で、日露戦争では連合艦隊旗艦を務めた。  三笠の船体は、は海に浮かんでいるのではなく、海底に固定されており潮の満ち引きによっても甲板の高さは変わらない。  ソ連の中将からの要求で解体処分されそうになったが、反共主義者だったアメリカ陸軍少将らの尽力により解体を逃れた。  良く見かける絵画を背景に、記念艦三笠来訪の思い出に記念写真を撮る。  艦内は、宗谷のように構造物を説明するというよりは、歴史的背景の解説に重点を置いている。  ガイドの男性は、勲章を切っ掛けに、弟と同じ将補の退職者であることが分かり、話が1時間余りにも弾んだ。  三笠の見学を終え、三笠公園から横須賀中央駅に向かう途中で、市役所前公園の横を通過する。  横須賀市役所を左に見ながら横須賀街道を進み、日の出町一丁目交差点で右折して、米が浜通り入口交差点を過ぎれば、横須賀中央駅だ。  京急本線横須賀中央駅で乗車し、品川駅で総武線に乗換えて帰宅する。

記念艦三笠を、下記の「記念艦三笠索」のボタンをクリックして34枚のスライド写真でご覧ください。  

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