白水阿弥陀堂    2017年3月18日


   42年ぶりに訪れた福島県唯一の国宝建造物である白水阿弥陀堂

 久しぶりにいわき市にある白水阿弥陀堂を目指して、常磐自動車道のいわき中央インターで下車し願成寺へ。  願成寺の駐車場に車を置いて、願成寺阿弥陀堂に向かう。 願成寺白水阿弥陀堂は、福島県で唯一の国宝建造物である。  池の中に朱色の反り橋が見える。 更に平橋を渡って阿弥陀堂に至る。  反り橋と平橋が御堂に続く造りは浄土庭園の定常的な様式らしい。  昨年の11月12日に訪れた、金沢北条氏の菩提寺の称名寺庭園も全く同じ造りであった。  一方、今春の3月8日に訪れた亀戸天神社は太鼓橋(反り橋)、平橋に加えてもう一つ太鼓橋がある。  天神社は現在を表わす中央の平橋に対し、男橋と女橋の太鼓橋がある。  亀戸天神社は、2013年4月17日に訪れた大宰府天満宮と同じ様式になっている。
 反り橋を渡って阿弥陀堂へ、阿弥陀堂は1160年の建立である。  藤原清衡の娘で、岩城の国守岩城大夫則道公の夫人徳姫が建立した。  白水の地名は、徳姫の故郷奥州平泉の泉の文字を分字したと伝えられている。  阿弥陀堂は方三間単層宝形造り柿葺きで、内陣の四天柱は十二光仏が図現されていた。  阿弥陀堂を前回訪れたのは、昭和50年で42年ぶりである。  堂内は撮影禁止であったが、ベテランの解説者が阿弥陀堂を始め、本尊阿弥陀如来など分かりやすく説明してくれた。  42年ぶりの阿弥陀堂再訪は、57年ぶりの立山連山の雄山の再登頂に次ぐ印象深いものであった。  大震災に見舞われたこの地に再び訪れる機会は無いだろうと思っていたので、大変の喜びである。
 白水阿弥陀堂の後は、いわき市の湯本駅近くにある石炭化石館「はるる」へ。  石炭化石館の前では、フタバサウルス・スズキイと坑夫の像及び片寄平蔵の像が出迎えてくれる。  いわき市石炭化石館は常磐炭田の採掘の歴史と化石資料を展示する施設である  化石資料としては、市内で発掘された化石や、地球の歴史を物語る諸外国の化石資料がある。  館内では現在吉村作治氏のエジプト展開催中。 ピラミットの中を探検したのは25年前の思い出だ。  最後に、地下600mに降りる雰囲気を味わえる模擬坑道に潜入する。  片寄平蔵が石炭を発見した当初は、石炭を掘った空間が狸の巣穴に似ていた「狸堀り」であった。   「手ハンマーにより孔を繰る切羽」により、火薬で発破をかける方法が取り入れられ、 「サイドダンプローダーの掘進」に代わり、昭和30年頃を境に急速に機械化が進んだ結果、 「ロードヘッダーによる掘進切羽」によって、一連の作業を一台の機械が行うようになった。
 石炭化石館見学の後は、「いわき市アンモナイトセンター」へ。  館内に入ると、アンモナイトについて紹介する導入展示ゾーンがある。  続いて、現在から遡り、時間旅行をするタイムスリップゾーンを通り、 8,900年前のアンモナイト等の化石が集中して発見された地層を建物で覆った空間に出る。  約700平方米に及ぶ露頭観察ゾーンでは化石を掘り出されたままの状態で観察することができる。  当時いわきの海に棲息していたアンモナイトを始めとする太古の生物の化石が見られる。  アンモナイトセンターの建物の横では、化石の発掘現場が広がっている。  毎週土曜日と日曜日には、発掘体験することができる。  発掘体験時間はオリエンテーション30分、発掘・まとめが60分である。  体験発掘場から産出した化石には、アナゴードリセラスやユーボストリコセラルなどもある。  発掘体験が終わってから、次の目的地の田村市滝根にある「あぶくま洞」へ向かう。

     白水阿弥陀堂 地図の中央の矢印が白水阿弥陀堂です      <福島県いわき市内郷白水町広畑にて>
白水阿弥陀堂といわき市石炭化石館を、下記の白水阿弥陀堂といわき市石炭化石館のボタンをクリックして47枚のスライド写真でご覧ください。


 ビッグフローストンが見られるあぶくま洞の滝根御殿

 あぶくま洞に到着、この一帯は阿武隈高地と呼ばれる高原地帯である。  高原の中央に位置する大滝根山の西側斜面には仙台平と呼ばれるカルスト台地が広がっている。  この地は、古くから石灰岩や大理石の採掘が盛んな土地であった。  あぶくま洞の入口、あぶくま洞は1969年9月に現在の釜山採石場跡地から発見された。  土地柄、人が集まる観光地には、現在の放射能の照射量が掲示されている。  福島県まで来ると、お彼岸になっても積雪が見られる。  入口から洞窟までの通路の外側は一面雪原である。
 洞窟に入ると、派手なイルミネーションが出迎えてくれる  宇宙をテーマにしたイルミネーションで天の川と宇宙開発を表現している。  あぶくま洞は、発見当初は深さ12m、北へ60m、南東へ15mの小規模な洞だった。  1970年に日本大学の探検隊があぶくま洞主洞部を発見し、 1973年に見学用に洞内が整備され、一般公開されるようになった。
 長径25m、、短径15m、高さ29mの大きなホールになっている「滝根御殿」に到着。  滝根御殿には、国内第五位の20mのビッグフローストンがある。  ビッグフローストン(流れ石)とは、地下水の石灰分が再び結晶して滝のようになったものである。  石筍や石柱には、「猿の腰掛」や「観音像」などの名前が付けられている。  あぶくま洞の一般見学ルートの長さは600mほどある。  あぶくま洞は未公開の経路も含めると総延長3,300mで国内11位の長さである。
 洞内の平均気温は14度前後で一年を通して大きくは変動しない。  本洞最奥部から湧き出す地下水流は、大滝根山麓から浸透した地下水で水温は9.3度であった。  あぶくま洞は福島県唯一の恋人の聖地に指定されている。  クリスマスツリーと名付けられた、東洋一とも云われる巨大な石筍や上のつらら石と繋がった石柱、  傾斜地にある水田のように、水面のふちにあぜ状の鍾乳石が造られた「リムストーン」など、 大いに目を楽しませてくれる。  あぶくま洞の最後の見せ場である月の世界に到着。 光のトンネルを抜けてあぶくま洞の出口へ。  あぶくま洞の見学を終え、常磐自動車道の小野インターから今夜の宿がある 東北自動車道の須賀川インターに向かう。

   あぶくま洞 地図の中央の矢印があぶくま洞です      <福島県田村市滝根町菅谷東釜山にて>
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