長瀞      2016年11月16日


   長瀞ライン下りの高砂くだりコースを遊覧する

 長瀞の紅葉を尋ねて、東京外環自動車道から関越自動車道に入り、三芳パーキングに寄る。  関越自動車道の花園インターで降りて、長瀞駅近く、国道140号線沿いの駐車場へ。  駐車場隅に設けられた、長瀞ライン下りのチケット売り場で「高砂くだり」のコースを申し込む。  駐車場から、駅前通りに出て、岩畳チケット売り場に向かう。  秩父鉄道の長瀞駅に到着。 駅から川下り発着点まで、300mである。  長瀞駅前の駅前チケット売り場の駐車場は、既に満車状態である。
 秩父鉄道の踏切を渡ると、岩畳街道とも呼ばれている、道幅が狭い「岩だたみ通り」になる。  荒川が見えてきた。 岩畳の船乗り場辺りは、大勢の人の姿が見られる。  石畳の船乗場の上流左岸には、岩場の広場である「岩畳」が広がっている。  上流右岸、岩畳の対岸には、赤壁と呼ばれる岸壁が見られる。  運航コースは、AとBのコース及びABを通した3コースがある。  石畳から乗るのは、Bコースの高砂くだりで、岩畳から高砂橋までである。  川岸の木々は、紅葉真っ盛りで、川下りには絶好の季節である。
 Bコースの両側は岩場が続き、木々が少なく紅葉も乏しい。 Aコースの方が圧倒的に紅葉が綺麗である。  Aコース又はABコースを申し込んだらBコースを勧められた。 高砂くだりコースは、3km、遊覧時間は約20分である。  Bコースは待ち時間が少ないが、Aコースは待たされるらしい。 Aコースは団体専用で、合間を見て一般の人を乗せるらしい。  乗船し、ライフジャケットを装着して出航。 前方に最初の金石水道橋が見えてきた。  金石水管橋は、水道水を送る水道本管を下流側に併設している。 前方に、もう一つの橋が見えてきた。 高砂橋である。  高砂橋を潜ると、バスが待つ川下り終点がある。 ジャケットを脱いで、川岸に上がる。  バスに乗り込み、長瀞駅の近くまで送って貰う。

     ライン下り船乗場 地図の中央の矢印がライン下り船乗場です      <埼玉県秩父郡長瀞町長瀞にて>
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 長瀞渓谷の石畳の対岸に連なる秩父赤壁の紅葉

 ライン下り送迎のバスから降り、再び岩畳通りを歩き荒川の河岸へ向かう。  岩畳の上は先程より人の数が増えている。 名勝天然記念物に指定されている岩畳を上流に向かって歩く。  岩畳は、幅50m、長さ600mに及ぶ広大な岩石段丘で、荒川の流れで出来たポットホール、断層、褶曲などが見られる。  岩畳は地質学の宝庫として自然観察の絶好の場となっている。  長瀞の美しい渓谷は地下20〜30kmの高圧化でつくられた結晶片岩から成る。  長瀞は関東山地から九州まで約800kmにわたって続く「三波川帯」の結晶片岩が観察できる所である。  渓谷は結晶片岩が隆起し、荒川の清流に磨かれて出来たものである。  岩畳は板のような剥がれ易い特徴である片理が造った地形である。  明治10年に近代地質学が日本に導入されると、翌年にはナウマン博士が長瀞を訪れた。  ナウマン博士が訪れて以来、長瀞には多くの学生や研究者が訪れるようなった。 長瀞は日本地質学発祥の地と云われている。  断崖の下をラインくだりの船が通り過ぎる。 船からの発信に答えて手を振り返す。  団体客を乗せた遊覧船が続々とやってくる。 これでは一般客を乗せる余裕は無いようだ。 どの船も、定員一杯の超満員のように見える。  対岸の崖は「秩父赤壁」と呼ばれ、南北方向の断層に沿って深く削られて出来た。  赤壁と紅葉の見事なマッチングに見取れながら歩く。 岩畳の上流の端までやってきた。  引き返すには、歩きすぎたので、上流の上長瀞駅を目指すことにする。

   長瀞渓谷の赤壁 地図の中央の矢印が赤壁です      <埼玉県秩父郡長瀞町井戸にて>
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   長瀞の中心的なスポットである月の石もみじ公園

 岩畳から哲学の道を歩いて、月の石もみじ公園に到着する。  月の石もみじ公園は、名勝天然記念物長瀞の中心的なスポットである。  園には、高浜虚子の句碑があり、「ここに我 句を留むべき 月の石」と刻まれている。  石碑には1953年仲秋の建立とあり、紅葉とは無関係らしい。 高浜虚子のこの句が、この公園の名前の由来だろう。
 現在、日没から午後9時までライトアップが行われている。 今年のライトアップは11月12日〜27日迄である。  「長瀞紅葉まつり2016」は11月1日30日である。 園内には「日本地質学発祥の地」の大きな石碑がある。  記念碑の岩石は「赤鉄石英片岩」と呼ばれ、この地域一帯の変成岩中に広く分布している。  岩石は白い石英を主体とし、縦の縞模様に沿って暗紫色の赤鉄鉱を挟み込んでいる。  石英と赤鉄鉱の他、微量の黒い石墨、緑色の緑泥石、光沢の有る絹雲母などを含んでいる。
 天気予報と紅葉情報を熟視して、マイカーで訪れた今年最初の紅葉狩りは期待以上の絶景であった。  長瀞の紅葉を十分堪能してから、自然の博物館の前を通り上長瀞駅に向かう。  秩父鉄道秩父本線の上長瀞駅に到着する。 上長瀞駅は1916年に国神駅として開業、1928年に上長瀞駅に改称された。  上長瀞駅の一日平均の乗車人員は100人余りである。 電車が到着したので、次の駅の長瀞駅に向かう。  長瀞駅から駐車場に到着、今夜の宿の「梁山泊」へ。

     月の石もみじ公園 地図の中央の矢印が月の石もみじ公園です      <埼玉県秩父郡長瀞町長瀞にて>
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