豪徳寺      2016年11月05日


   招き猫発祥の地豪徳寺の招猫殿に奉納された招き猫

 豪徳寺参拝のために、新宿より小田急小田原線に乗って豪徳寺駅で下車する。  駅から、街中を通る都道427線を南下して豪徳寺へ向かう。 南に回りこむと山門がある。  豪徳寺は1480年世田谷城主吉良政忠が伯母で頼高の娘である弘徳院のために、 「弘徳院」と称する庵を結んだのが始まりと云われている。  付近は、中世の武蔵吉良氏が居館とし、小田原征伐で廃城となった世田谷城の主要部だったとされる。  1633年に、彦根藩主・井伊直孝が井伊氏の菩提寺として伽藍を創建し整備した。  仏殿は井伊直孝の娘・掃雲院が父の菩提を弔うため、1677年に建立された。
 ボランティアの話では、豪徳寺の紅葉はこの辺りでは評判だと言う。  仏殿の横には、招福観音が祀られている招猫殿がある。  豪徳寺の招猫殿では招福猫児と称する、招福観世音菩薩を祀っている。  豪徳寺は、招き猫発祥の地という説がある。  井伊直孝が、豪徳寺の前を通りがかったところ、寺の前の猫が招いた。  猫の招につられて直孝が寺の中に入ったところ、にわか雨を避けることができたとの伝説による。  招猫殿の横には、願が成就したお礼として、数多くの招福猫児が奉納されている。  招き猫は一般的には左手を上げているが、招福猫児は右手を上げており、小判などを持たない素朴な白い招き猫である。  招福殿の前には、2006年に建てられた新しい三重塔がある。 三重塔にも招き猫を見つける。
 井伊家は、遠江国井伊谷を中心に勢力を持った武士で、戦国期には今川氏の配下にあった。  豪徳寺の本堂は仏殿の裏にあり、関東大震災で焼失し、コンクリートで再建されたものである。  1633年に、彦根藩主・井伊直孝が豪徳寺を井伊氏の菩提寺として伽藍を創建し整備した。  墓地には、井伊直孝の他、桜田門外の変で暗殺された井伊直弼の墓や、その忠臣遠城謙道の基もある。  6人の彦根藩主以外に、江戸に住んでいた正室、側室、子息子女、一部の家臣など303基もある。  山門から、豪徳寺の立派な正門を出て、世田谷八幡宮に向かう。
 1091年の後三年の役の帰途、源義家公がこの「宮の坂」の地に寄った。  その際、後三年の役の戦勝は八幡大神の御加護と思い、宇佐八幡宮の御分霊を勧請したと云われている。  世田谷八幡宮は1546年に、世田谷城主7代目吉良頼が社殿を再興した。  戦国時代には当地を支配していた吉良家の祈願所となっていた。  鳥居を潜ると右手に、厳島神社が祀られている。  1964年に改築された現在の社殿は世田谷の鎮守の神様として多くの人達に厚く信仰されている。  古くからの祭礼として相撲が奉納されており、江戸郊外三大相撲の一つとされていた。

     豪徳寺 地図の中央の矢印が豪徳寺です      <東京都世田谷区豪徳寺2丁目24にて>
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 世田谷区郷土資料館に隣接した世田谷代官屋敷

 世田谷八幡宮を出て、城山通りを進むと左手に世田谷城址公園がある。  世田谷城は、初代吉良氏が南北朝の頃、築城したのが始まりと云われている。  吉良氏八代の居城として栄え、吉良御所、世田谷御所と呼ばれていた。  世田谷城址を出て、東急世田谷線の上町駅東側の踏切を渡り、世田谷代官屋敷に向かう。  世田谷天祖神社の横を通り世田谷区立郷土資料館へ。
 郷土資料館に隣接して世田谷代官屋敷があり、都史跡世田谷代官屋敷の石碑がある。  代官屋敷の表門を入ると、樹齢200年近い大きなタブノキが迎えてくれる。  屋敷は代官役所として使用した居宅を含む屋敷跡で、 彦根藩井伊家領世田谷の代官職を務めた大場氏のものである。  江戸中期の建築であり、往時の代官屋敷の面影を伝えている。  代官屋敷の主屋は寄棟造、茅葺、北面玄関で、58坪である。  江戸時代の奉行所など訴訟機関における法廷が置かれた場所である白州跡が残されている。
 代官屋敷から資料館へ、玄関の前に、大正初年に植えられた楠の大きな樹がある。  世田谷区立郷土資料館の常設展示では、世田谷区の歴史と文化をテーマとした展示をしている。  現在、資料館の特別展にて、「国重要文化財指定記念 野毛大塚古墳展」を開催中であった。  資料館を出て、1579年に発する「楽市掟書」に起源を持つボロ市通りを東に進むと、 世田谷駅前交差点に出る。 正面に円光院があり、山門の前には、「桜小学校発祥之寺」の石碑がある。  円光院の前の通りを北上して、ワンマンカーの東急世田谷線世田谷駅から乗り込み、三軒茶屋駅へ。  東急田園都市線の三軒茶屋駅から、渋谷経由で帰宅する。

   世田谷郷土資料館 地図の中央の矢印が世田谷郷土資料館です      <東京都世田谷区世田谷1丁目29にて>
世田谷代官屋敷と世田谷代官屋敷を、下記の「世田谷代官屋敷」のボタンをクリックして36枚のスライド写真でご覧ください。  

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