犬吠埼      2016年7月14日


   日本の灯台50選、世界の灯台100選に選ばれた犬吠埼灯台

 犬吠崎を目指して、東関東道を走り、潮来インターで降りる。  124号線を走り、銚子港で水揚げされた魚介類の水産物即売センターである「ウオッセ21」に寄る。  類似の即売所と比較して、品物はやや多かったが特に買うものもなし。 隣接した銚子ポートタワーに向かう。  銚子ポートタワーは高さ57.7mの鉄骨造りハーフミラーガラスのツインタワーで1991年に竣工された。  館内に入るも、係りの人が今日は残念ながら視界が利きませんといわれたので、登頂は次回にする。  銚子ポートタワーから県道254号銚子公園線を南下すると左手に海が開ける。  黒生漁港を過ぎると、バス停の「とんび岩」があり、地図には、海の展望が素晴らしいと書かれている。  左手海岸に「とんび岩」、右手前方海の中に、海鹿島があり、明治時代まで海鹿が棲息したことが分かる。  右手が海鹿島海水浴場になっている。  海鹿島町の海岸付近は、ジュラ系愛宕山層群の一部である黒生チャートからなっている。
 君ヶ浜を垣間見ながら、「君ヶ浜しおさい公園」を走り、犬吠埼灯台の前の駐車場に到着。  犬吠埼灯台は、国産煉瓦で造られた初の灯台で、1874年に完成した。  イギリス人技師のリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計・監督のもとに造られた  野島埼灯台と同様に、上まで登ることが出来る数少ない灯台の一つである。  灯台内に入り、九十九段にした階段を上ると、フレネル式4面閃光レンズが出迎える。  犬吠埼灯台は円形レンガ造りで、近代化産業遺産、登録有形文化財に指定されている。  高さは、地上からの灯台頂部が31.1m、水面からの灯火は52.3mである。  光の届く距離は36km、光の強さは110万カンテラ、光り方は単閃白光で毎15秒に1閃光である。
 犬吠埼灯台から北を望むと、円弧を描きながら君ヶ浜が右に広がっている。  君ヶ浜は「日本の渚百選」にも選ばれ、打ち寄せる波はサーファーにハワイに匹敵すると云われている。  君ヶ浜の海岸は「君ヶ浜しおさい公園」になっていて、左手奥に、犬吠埼温泉元湯「黒潮の湯」が見える。  西を望むと、灯台へのアプローチ道路と灯台前の小さな丸い駐車場があり、一番手前に愛車のレクサスが見える。  南に続く海岸線の先端が長崎鼻。 右のビルがグランドホテル磯屋。 海岸に下る入口も見える。  犬吠埼の南端の岬が見える。 先程の海岸への降り口から下ると、海岸伝いにこの辺りまで歩ける。  東映映画のオープニング映像「荒磯の波」で馴染みの岩らしきものを見つける。  遊歩道の石段の先が通行止めで、お目当ての岩には近づけないようだ。  再び、君ヶ浜が見えてきたので、灯台の周りを一周したことになる、九十九の階段を下って地上へ。
 灯台に隣接して、犬吠埼灯台資料展示館がるある。  中央に大きなレンズが展示してある。 一等レンズの国産第一号の沖ノ島灯台のレンズである。  資料展示館の横には、尻屋埼灯台の霧鐘が展示したある。 我が国最初の霧信号として設置された。  海を見ながら灯台の周りを歩く、此処からの夕陽の眺めは格別だと云われている。  犬吠埼は関東の最東端で、元旦の初日の出が一番早く拝める場所である。  各テレビ局が、元旦早朝の初日の出として、当埼から生中継することも多い。  犬吠埼灯台の見学を終え、犬吠埼の海岸の散策に出かける。

     犬吠埼灯台 地図の中央の矢印が犬吠埼灯台です      <千葉県銚子市犬吠埼にて>
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 東映映画のオープニング映像「荒磯の波」が撮影された犬吠埼

 犬吠埼灯台を出て、犬吠埼を巡る遊歩道に向かう。  磯への降り口の南岸に向かって歩く。 右手にグランドホテル磯屋のビルが見える。  遊歩道は閉鎖されていたが、磯を歩く人の姿が見える。 遊歩道の入口には人がすり抜ける隙間があるが海岸の磯に降りる。  犬吠埼は水郷筑波国定公園に含まれる景勝地で風向明媚な海岸線が見所である。  数々の文人・墨客が訪れ、高浜虚子、国木田独歩、佐藤春夫などの歌碑、詩碑が立ている。  犬吠埼は義経の愛犬「若丸」が岬に置き去りにされ、7日7晩鳴き続けたことから犬吠埼と名付けられた。  一説には明治時代にはアシカが生息していて、その泣き声が犬の声に似ていたという。  犬吠埼のように、埼と云う字が付く岬は珍しく、草木が生えない荒地が突出している地形を表わす。  一般的の岬は山偏の崎で、石偏の岬は石がごろごろしている海岸が突き出た地形を表わしている。  碕が付く最も著名な岬は、2010年6月1日に訪れた、日本一高い日御碕灯台が立つ日御碕である。  岩の間から、日本の灯台50選、世界の灯台100選に選ばれた犬吠埼灯台が見えてきた。  世界の灯台100選に選ばれた灯台は、日御碕灯台の他、2010年6月1日に訪れた地蔵崎の美保関灯台がある。
 灯台が見えた地点から先は遊歩道が崩壊して、通行止めになっていて、犬吠埼の最先端には行けない。  最先端の磯場は陸地からの降り口も無いので此処が最先端になる。  2007年に銚子海上保安部により、犬吠埼に10m余りの亀裂が見つかり崩落の危険性を指摘している。  現在、亀裂に伴い周辺に防護柵が設置され、遊歩道が一部通行止めになっている。   犬吠埼は異色の古く硬い地層の犬吠埼層が露出し、白亜紀浅海堆積物が産出する。  犬吠埼の白亜紀浅海堆積物は天然記念物として指定され、日本の地質百選にも選定されている。  ビートたけしの新婚旅行先は犬吠埼、私共は一昨年の10月30日に、金婚式の一環として緑剛崎灯台を再訪した。
 犬吠埼と犬吠埼灯台を十分に探索した後、犬吠埼の南岸を九十九里浜に向かって走る。  国道126号線を西進すると、飯岡灯台入口の交差点がある。 左折して刑部岬展望館へ。  刑部岬で先ず目に付くのは、飯岡町と沖縄の交流を示す、大きな「沖縄飯岡友好交流記念碑」である。  刑部岬の周辺は上永井公園として整備され、飯岡灯台や飯岡刑部岬展望館がある。  刑部岬展望館の周囲には、「あしたのジョー」のキャラクターの石像がある。 作者の「ちばてつや」は飯岡に在住していた。  展望館の横に、白色塔形コンクリート造りの飯岡灯台が立っている  飯岡刑部岬展望館は2階がパノラマ展示室、3階が光と風のデッキで24時間観覧可能である。  飯岡灯台は1956年に設置点灯された灯台で、塔高9.8m、光達距離は25kmである。  灯台は風光明媚な屏風が浦の懸崖上に建つため、灯火標高は74.7mもある。
 刑部展望館のデッキから東を望む。 此処刑部岬から銚子市名洗にかけて、高さ40‐50mの絶壁が屏風のように10kmに渡り続いている。  飯岡灯台が建つ刑部岬からの景観は、「日本の朝日百選」「日本の夕陽百選」「日本の夜景百選」に選ばれている。  此処からの景観は百選の他に、「日本夜景遺産」「関東の富士見百景」にも選ばれている。  刑部岬の右にある飯岡漁港から太東崎まで66kmの九十九里浜が弓状に連なっている。  正面には飯岡漁港が広がり、天気が良ければ海の向こうに富士山が見えると云う。  刑部岬まで連なる屏風が浦は、東洋のドーバーと云われている。 700年余りで陸地が6km近く後退した。  天気が良ければ右手に、2011年11月7日に登頂した筑波山が見えると云う。  平安時代の末期には、この地に源義経の四天王の一人「片岡常春」の佐貫城があったが今は海の中に没した。  飯岡バイパス東口から九十九ビーチラインに入り西走すると、萩薗海水浴場に「潮騒ふれあい広場」がある。  ビーチに出て、東を望むと切り立った丘の上に刑部岬展望館と飯岡灯台が見える。  現在、飯岡海岸では海岸侵食の対策として「下永井海岸なぎさリフレッシュ事業」が行われている。  海岸高潮対策は、沖に、「離岸堤」と云う人工の細長い島を造り、海岸堤防との間に「トンボロ」と呼ぶ海浜の砂山を造る。  飯岡海岸に建てられた巨大な「飯岡海岸護岸竣工碑」の碑文を読んだ後、九十九ビーチラインを走って家に向かう。

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