小岩菖蒲園と堀切菖蒲園      2016年6月26日


   地元の人が花菖蒲を持ち寄って造られた小岩菖蒲園

 江戸川右岸にある小岩菖蒲園を尋ねて、京成本線の江戸川駅で降り、 東に歩くと、間もなく江戸川の堤防に出る。  堤防の東側は川原が広がり、緑地になっていて、その中に小岩菖蒲園がある。  右手には、京成本線の鉄橋があり、川原は広い駐車場になっていて400台が駐車できる。
 小岩菖蒲園に到着。 江戸川河川敷に広がる菖蒲園は地元の人が花菖蒲を持ち寄って造られた。  菖蒲田の周辺には、南アフリカ原産の、紫君子蘭の花も咲いている。  菖蒲園は江戸川区が回遊式の庭園にしたもので、都会のオアシスとして都内の名所になっている。  5月から6月に五万本の花菖蒲が咲き誇ると云われている。  菖蒲園を眺めてみると、満開の時期は過ぎたらしく、花の数がやや少ない。  菖蒲園の一画で、竹柵で囲まれた所には、湧き水が見られる。  モウセンゴケ科の奇少な食虫植物「ムジナモ発見の地」の石碑がある。  ムジナモを発見したのは28歳の牧野富太郎博士である。  昨年の5月25日に訪れた土佐の竹林寺の横にも博士の名を冠した牧野植物園があった。  最近訪れた国立科学博物館にも、牧野博士は、24人の科学技術の偉人の一人として紹介されていた。
 今年は花が咲くのが遅かったので助かった、来年は3週間ほど前に来ようと思う。  菖蒲園に隣接して蓮園もある。 蓮池に隣接して、今が盛りの「ヤブカンゾウ」が花を咲かせていた。  ヤブカンゾウはオニカンゾウとも呼ばれ、初夏に咲く多年草で、若葉と花を食用にする。  京成江戸川橋梁の下から、川原を下流に望む。 大勢の人が野球に熱中している。  紫陽花越しに小岩菖蒲園を望む。 江戸川の向こうに和洋女子大学の校舎が見える。  小岩菖蒲園の観賞もあっけなく終わったので、もう一つの菖蒲園を目指すことにする。

     小岩菖蒲園 地図の中央の矢印が小岩菖蒲園です      <東京都江戸川区北小岩4丁目にて>
小岩菖蒲園を、下記の「小岩菖蒲園」のボタンをクリックして33枚のスライド写真でご覧ください。



 春信や広重の錦絵や名所案内、紀行文にも記された堀切菖蒲園

 小岩菖蒲園を出て、京成本線の江戸川駅から乗車して、堀切菖蒲園駅で下車する。  駅を出て、川の手通りへ左折すると堀切菖蒲園前交差点へ出る。  交差点から「堀切二丁目コミュニティ道路」に入ると天祖神社斎館があり、分かれ道の右手に、堀切十二支神がある。  我々の干支の寅と辰に参拝。 分かれ道の左手に行くと、天祖神社斎館の鳥居がある。 鳥居の横に、菖蒲七福神がある。   天祖神社の摂社である毛無池弁天社は初め弁財天だけ祀っていたが、後に七福神になった。  堀切二丁目コミュニティ道路を更に進むと、堀切菖蒲園の前に出る。
 今年の菖蒲まつりは6月1日から6月20日で、菖蒲まつりは終了していた。  今年は開花が遅れていて、菖蒲園の中には花がちらほら見える。  切堀菖蒲園は荒川の左岸近くにあり、石灯篭の後に首都高速中央環状線が見える。  菖蒲園は7700平方米の敷地に、200種6000株の花菖蒲が栽培されている。  希少な品種が多く、全国の愛好者にも評判が高いと云われている。  開花時期は例年5月中旬に一番花が咲き、その後の6月中旬頃までが見頃であるとのこと。
 この地の堀切は綾瀬川に沿った低湿地で、昔より特に花菖蒲の栽培に適していた所とされている。  室町時代の頃、地頭久保寺胤夫が家臣富田将監に命じて栽培させたのが始まりと云われている。  富田将監は奥州郡山付近の安積沼から種子を持ってきて自邸に培養したと云われている。  異説では、17世紀中ごろ、堀切村の小高伊左衛門が各地の花菖蒲を収集し自庭に植えたのが始まりとも云われている。  天保末の頃には、園内では数多くの名花が咲き競うようになった。  春信や広重の錦絵や名所案内、紀行文に菖蒲園のことが記され、江戸時代には広く知られていた  堀切園は「堀切菖蒲園」と改称し、昭和34年に東京都立として公開し、現在は葛飾区が管理している
 園内では、「十二単衣」「酔美人」「霓裳羽衣」などの希少な品種も多く見られる。  園内には、新東京名勝選外十六景「堀切の花菖蒲」の碑や、渡辺千秋の歌碑がある  切堀菖蒲園を出て、駅に向かう途中でいぼとり地蔵の極楽寺へ。 道路わきでは、祭りの幡を片付けている。  極楽寺の門前にある「いぼとり地蔵」にふりかけられた塩をイボに擦り込むと、たちどころに疣が治ると云われている。  極楽寺の次は、堀切村の鎮守であった天祖神社に参拝する。 先程の堀切十二支神や菖蒲七福神の元社である。  天祖神社は1560年に勧請された。 天祖神社参拝を最後に、堀切の街を離れる。

  堀切菖蒲園 地図の中央の矢印が堀切菖蒲園です      <東京都葛飾区堀切2丁目19にて>
神楽坂の風景を、下記の「堀切菖蒲園」のボタンをクリックして40枚のスライド写真でご覧ください。  


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