ボッティチェリ展とカラヴァジョ展      2016年4月25日


   ボッティチェリの自画像で知られているラーマ家の東方三博士の礼拝

 2月10日に、上野の東京都美術館にボッティチェリ展を見に出かける。  国立西洋美術館ではカラヴァッジョ展を開催中。 建物が世界遺産になるとのことで記念写真を撮る。  昨年の12月16日に、「始皇帝と大兵馬俑展」を鑑賞した東京国立博物館の前を通過。  1868年に彰義隊の戦争で消失した寛永寺根本中堂の跡の前を通る。  中堂跡の横には、病院建設の代わりに公園造りを提言した「ボードワン博士像」がある。
 東京都美術館に到着。 ボッティチェリ展は、日伊国交樹立150周年記念として、開催中である。   主な展示品は、「書物の聖母」「美しきシモネッタの肖像」「ラーマ家の東方三博士の礼拝」「書斎の聖アウグスティヌス」 「若い男の肖像」「オリーブの祈り」「バラ園の生母」などであった。  特に、「ラーマ家の東方三博士の礼拝」は、右端の青年がボッティチェリ本人ということで、 23年前の1993年5月4日に、夫婦二人で、ウフィツィ美術館をお訪れた時は、時間を掛けてじっくり見てきた。
 美術館を出て、公園散策へ。 上野東照宮の石造明神鳥居の前に行って見ると、現在、ぼたん苑が公開中である。  上野東照宮は、藤堂高虎が家康を追慕し、家康を祭神とする宮祠を造ったのが始まりという。  高さ36mの旧寛永寺五重塔は、1631年に土井利勝が寄進した塔で、現在のものは、1958年に再建された。  東照宮の社殿は、1651年家光が造り替えたもので、ほぼ当初の姿を今に伝えている。  1651年に造営された、重要文化財の唐破風造り四脚門の唐門の柱内外の四額面には、 左甚五郎作の昇り龍・降り龍の彫刻があり、毎夜、不忍池に水を飲みに行くと云う。  唐門前と参道に、五十基の銅燈篭が並んでいる。 東照宮の社殿見学は次の機会にして、今日は冬ぼたんを鑑賞することにした。  牡丹は中国を原産国とする花で、王侯貴族に愛され、「百花の王」と呼ばれていた。  現在、春は110品種600株、冬は40品種200株が栽培されている。

     東京都美術館 地図の中央の矢印が東京都美術館です      <東京都台東区上野公園8にて>
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   広重の浮世絵に見られる、清水観音堂の一回転する枝の月の松

 東照宮の薔薇苑を鑑賞後、パゴダが建立されている大仏山へ。  上野大仏は、1631年に初建されたが、現在はお顔のみが残っている。  「花の雲 鐘は上野か 浅草か」と芭蕉ば詠った「時の鐘」が吊るされている寛永寺の時鐘堂を眺め、 花園稲荷神社・五条天神社の参道の赤い鳥居を潜り、縁結びのパワースポットとして知られている花園稲荷神社に参拝。  花園稲荷神社の旧跡の穴稲荷と呼ばれている「忍岡稲荷」に参拝後、隣接した五條天神社へ。  五條天神社は社伝によれば、日本武尊が東征のおりに大己貴命と少名彦命を上野忍が岡に祀ったのが始まりと云う。  2010年には、縁起による鎮座1900年を記念して、大祭が行われた。
 五條天神社の鳥居を潜り、不忍池の池畔に出る。 池に架かる天竜橋を渡り、弁天堂に参拝する。  弁天堂に祀られる弁天様は「老女弁財天」と呼ばれ、江ノ島、布施(柏市)とともに、関東三弁天の一つに数えられる。  不忍池から京都の清水寺本堂を模した舞台造りの清水観音堂へ。  150年ぶりに復活した広重の浮世絵に見られる一回転する枝の「月の松」を眺めてから上野を去る。

     清水観音堂 地図の中央の矢印が清水観音堂です      <東京都台東区上野公園1にて>
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   国立西洋美術館に掲げられた「カラヴァッジョ展」の大ポスター

 4月25日に、上野の国立西洋美術館にカラヴァジョ展を見に出かける。  国立西洋美術館に来ると、ルネサンスを超えた男「カラヴァッジョ展」の大ポスターが見える。  日伊国交樹立150周年記念の一環としてカラヴァッジョ展が行われている。  日本初公開の「バッカス」をメインに、継承者達の作品を合わせて51点の作品が展示されている。  カラヴァジョの作品は「果物籠を持つ少年」「バッカス」「エマオの晩餐」「女占い師」「洗礼者製ヨハネ」 「ナルキッソス」「マッフェオ・バルベリーニの肖像」「法悦のマグダラのマリア」「トカゲに噛まれる少年」 「メドーサ」など11点であった。
 カラヴァッジョ展を鑑賞した後、国立西洋美術館の常設展の会場に向かう。  エル・グレコの「十字架のキリスト」、カルロ・ドルチの「悲しみの聖母」、マリー・ガブリエル・カペの「自画像」、 ピエール・オーギュスト・ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち」、クロード・モネの「舟遊び」や「睡蓮」、 ダンテ・ガブリエル・ロセッティの「愛の杯」、ポール・ゴーガンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」等を見て歩く。  美術館の前庭には、エミール・アントワーヌの「弓を引くヘラクレス」や、オーギュスト・ロダンの「地獄の門」 「考える人」「カレーの市民」等の彫刻がある。  国立西洋美術館は、「ル・コルビュジェの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献」の 構成資産として世界文化遺産に登録された。
 美術館を出て、上野駅公園口交差点を通り、東西自由通路の「パンダ橋」に上がる。  橋を渡って、上野ペデストリアンデッキを歩くと、 スカイウォークのモニュメントがある。  上野ペデストリアンデッキから下りて、昭和通りの上野駅交差点へ。  上野駅の南端を通り、ガードの下を抜けて、中央通りの上野公園前交差点を経由して、忍ばすの池の池畔に。  「駅伝の歴史ここに始まる」と書かれた「駅伝発祥の地」の碑と「東叡山寛永寺弁天堂」と書かれた石碑がある。  花園稲荷神社に参拝し、「正岡子規記念球場」の愛称が付いた野球場を最後に公園を出る。

     国立西洋美術館 地図の中央の矢印が国立西洋美術館です      <東京都台東区上野公園7にて>
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   旧東京科学博物館本館である重文の国立科学博物館の日本館

 国立科学博物館を見学のため、上野公園へ、交番前を通過する。  先日、始皇帝と大兵馬俑展を鑑賞した東京国立博物館の前の噴水へ。  寛永寺根本中堂の跡や文晁碑前を通過、東京国立博物館の前へ。  博物館の敷地内にある通称黒門と言われ、重要文化財に指定されている「旧因州池田屋敷表門」を覗く。
 重要文化財に指定された「旧東京科学博物館本館」である、国立科学博物館の日本館に到着。  日本館の建物は、関東大震災による震災復旧を目的として、 1931年に完成したネオ・ルネッサンス調の建物である。  建物の中央ホール上部などに使われているステンドグラスは、日本の中でも傑作と言われている。  博物館は飛行機の形をしていて、博物館常設展入口は左翼に相当する。  最初に目に付いたのは、階段の吹き抜けを利用して、 地球の自転を確かめるための「フーコー振り子」で、現在、実験中であった。  フランスの物理学者レオン・フーコーが、地球の自転のため、地球上の振り子は振動面が回転することに気づいた。
 タイガー計算機を発見、1963年の研究発表で、 微積分の式の正当性を証明するために、2ヶ月間動かし続けた思い出がある。  1954年に開発が開始された、日本初のロケットである「ペンシルロケット」も展示されている。  2010年に小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワから持ち帰った微粒子を見ることが出来る。  宇宙の藻屑となって消え去った、小惑星探査機「はやぶさ」が再現され展示されていた。  日本最初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げたロケット・ランチャと人工衛星「おおすみ」も展示。  日本の航空技術を代表する飛行機の「零式艦上戦闘機」21型改造福座機、 豊田佐吉が1924年に完成した「無停止杼換式豊田自動織機」、日本初の量産車である「オートモ号」 なども見て歩く。  豪雨・暴風疑似体験学習アトラクション「ヘラセオン」で疑似体験し、 科学技術の偉人たちー日本の科学者・技術者を改めて学び、レストラン「ムーセイオン」で軽食を摂った後、 「シロナガスクジラ」の実物大模型に送られながら、博物館を後にする。

     国立科学博物館 地図の中央の矢印が国立科学博物館です      <東京都台東区上野公園7にて>
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