大房岬        2016年04月20日


   第一展望台から降りた、大房岬の先端の岩の上から浦賀水道を望む

 大房崎を目指して富津館山道路を南下し、途中で富楽里パーキングに寄る。  富浦インターで降りて、大房岬自然公園の駐車場へ、バスが数台駐車している。  大房岬自然公園は南房総国定公園の中にあり、行楽施設の集合地区として整備されている。  駐車場から岬の北岸の遊歩道を西に歩く、北に見えるのが南無谷崎か。  間もなく少年自然の家があり、野外炊飯場では多くの児童が準備中である。 バスで乗ってきた連中だろう。
 前に緑の広場が見えてくる。  広場は中央に展望塔があり、「まわりの風景を見たり、動物、植物、野鳥などの観察にご利用ください」とある。  鉄筋コンクリート造りの高さ15mの展望塔に登る、南東を望むと洲崎が西に延びている。  南に眼を移すと、館山湾である鏡ヶ浦が広がっている。  東の方向には、原岡海水浴場辺りの浜辺が見える。  展望塔を降りて、広場を抜けると運動園地があり、江戸時代の末期に建設された砲台跡が残っている。  運動園地には山桜が満開であるが、観光客らしき人影は無い。  運動園地の西端には、大房岬第一展望台があり三浦半島が見える。  大房岬は、東京湾に突き出た高さ約80mの台地である。  大房岬第一展望台からは、浦賀水道の向こうに、確かに富士山らしきものが見えた。
 右手に、大房岬の先端の海岸に降りる階段がある。  海岸の岩場に降りると、右手、東南の方向に富浦漁港が見える。  沖では、数艘の漁船が海に浮かび、背後には海水浴場の砂浜が広がっている。  海岸線を左に辿ると、西ヶ崎の先端の海の中に島が見える。 浮島神社がある浮島、背後が明鐘崎だろう。  地図によると、目の前の岩が岬の先端だろう。   大房岬の西側には浦賀水道が広がり、東京湾を行き来する多数の船舶の姿が見える。  大房岬と富浦海岸は、「房総の魅力500選」に選定されている。  大房岬の突端の風景を堪能して、再び岬の台地の上に登り、西芝生園地を経由して第二展望台に向かう。

    大房岬第一展望台 地図の中央の矢印が第一展望台です      <千葉県南房総市富浦町多田良にて>
大房岬第一展望台周辺の風景を、下記の「大房岬第一展望台」のボタンをクリックして34枚のスライド写真でご覧ください。



 南芝生園地から、頼朝伝説が残る、鏡ヶ浦に浮かぶ雀島を望む

 大房岬第二展望台に到着、満開のツツジの花が出迎えてくれる。  第二展望台からは南に展望が開け、大島、石廊崎から、2009年10月28日に登頂した天城山まで見えると云う。  大房岬から一番近い対岸は、三浦半島の剱崎である。 右手前方には、東京湾の入口の浦賀水道が見える。  北を望むと岬が海に延びている。 前から南無谷崎、西ヶ崎、鋸山から連なる明鐘岬が重なる。  海を背景に、目の前に聳えるのは、大房崎の海岸にある増間島だ。
 大房岬第二展望台脇の階段を海岸へと下ると、「弁財天の洞窟」がある。  伝説によると、約1300年前、役の行者に洞窟に閉じ込められた海賊を慈覚大師が助け、金の竜となって天に昇ったと云う。  増間島を望むこの辺りが、大房岬での第一の景勝地である。 高さ42mの増間島は、岩場で、大房岬と陸続きになっている。  増間島には、増間村に大雨が降り、水神様の祀ってあった川の中の島が流されてきたとの伝説が残っている。  国定公園内であるが、周りには全く人影も無く、貸しきり状態の有様である。
 大房岬の自然を満喫して、再び、崖の上の第二展望台に戻り、キャンプ場やビジターセンター前園地を通り南芝生園地へ。  南芝生園地に到着、前面には鏡ヶ浦が広がり、背後の丘の上には南房総富浦ロイヤルホテルが見える。  磯では釣り人の姿も見える。 鏡ヶ浦の海の中に、雀島が見える。  頼朝が雀島明神に戦勝祈願した時、鎌倉に進めと言った、「進め島」が雀島に変わったと云う。
 大房岬自然公園の帰りに、道の駅「なんきょ」に寄り、先ず、「菱川師宣記念館」へ。  師宣は1630年頃、鋸南町保田に生まれた。 「菱川師宣と記念館」は房総の魅力500選に選ばれている。  師宣は江戸の庶民芸術を代表する浮世絵の創始者で、浮世絵を版画形式により量産した。  記念館の前には、1694年に菱川師宣が故郷保田の林海山別願院に寄進した梵鐘がある。  師宣の代表作の見返り美人の立像を眺めながら、今は亡き母を思い出す。  母が、孫のために買った見返り美人の記念切手は、今は曾孫のコレクションに入っている。  師宣の見返り美人に送られて、大房岬の散策を終えて帰路に就く。

  大房岬第二展望台 地図の中央の矢印が大房岬第二展望台です      <千葉県南房総市富浦町多田良にて>
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