皇居観桜        2016年03月31日


   満開の桜の中、乾門に向かって進む、皇居観桜に参加した人々の列

 今日は、観桜のため皇居が公開される最終日である。 大手町交差点を横切り皇居へ向かう。  大手門交差点へ来ると、観桜を終えたらしい人々が東御苑を経て大手門を出てくるのが見える。  先導されて、桔梗濠越しに巽櫓を見ながら、日比谷通りを進む。  馬場先門橋を渡って皇居前広場へ、既に長い列が出来ている。 石橋の前から二重橋濠に沿って坂下門へ。
 正月の参賀と違って、只、苑内を歩くだけなのにどうしてこんなに渋滞するのか疑問に思う。  渋滞の原因は、身体検査と荷物検査のためだった。 検問を通過したら、列は一挙に移動し、坂下門へ向かう。  正月参賀の時は、出口だった坂下門は今回は入口になる。  参賀の時も見た富士見櫓と新宮殿の出口を通過、宮内庁の建物の前の広場は人で溢れている。  坂下門から乾門へ一方通行で向かう。 今年の開花は遅く、公開日の最終日でやっと見ごろになる。  宮内庁も気を利かせて、参観日を日曜日まで延長した。  今日までは曇天続きで、開花が遅れたが、一気に花が咲いて面目を保つ。  蓮池濠に面した石垣と富士見多聞の前を通過、石垣の向こうが皇居東御苑になる。  交通整理の警備員が即席ガイドも勤めている  両側の桜をカメラに収めながら、流れに従って乾門に向かう。
 皇居の一般公開は、正月と春秋の3回行われるが、係員の話では暫く中止になるらしい。  右手に、蓮池濠と乾濠を繋ぐ西桔橋を渡って、皇居東御苑に向かう人々の姿が見える。  乾門が見えてきた、この辺りの桜は満開である。 乾門を通過して皇居の外へ。  乾門の前は人で溢れている、皇居観桜の後は、江戸の桜の名所である千鳥ヶ淵に向かう。  乾門を出て左折し、代官町通りに入る。 代官町通りと千鳥ヶ淵の間の土手の遊歩道を歩く。

    皇居の乾門 地図の中央の矢印が乾門です      <東京都千代田区千代田1にて>
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 テレビで度々紹介される、東京の桜の名所である千鳥ヶ淵

 代官町通り沿いの、千鳥ヶ淵南岸の土手の上を歩く。   右手、丘の上に東京国立近代美術館工芸館、前には都心環状線が見える。  土手の上の桜並木は将に満開だ。 今日一日で、一気に花が開いたのだろう。  千鳥ヶ淵を渡る都心環状線の向こうに、千鳥ヶ淵緑道のの桜並木が見えてきた。  内堀通りへ入り、千鳥ヶ淵交差点を右折する。
 千鳥ヶ淵の桜並木に入る前に、1959年に国によって建設された、入口にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ。  苑内には、昭和天皇の歌を秩父宮妃殿下が書いた歌碑がある。  千鳥ヶ淵の観桜は、墓苑入口交差点の近くにある「千鳥ヶ淵緑道」を示す標識の所からスタートする。  標識のそばに、峯田義郎氏の作品である「髪結い」がある。 今日は絶好の花見日和になった。  スタートして間もなくボート場があり、その土手の上に展望台がある。
 最初に南を望む、都心環状線が見える。 北の丸公園の西岸の土手に咲く、千鳥ヶ淵の対岸の桜が見事だ。  展望台の直ぐ下にボート乗り場があり、長い列を作って多くの人が待っている。  千鳥が淵を北に望むと、淵の両岸の桜が美しい。   千鳥ヶ淵の桜は東京を代表する桜景色であるが、その中でもこの眺めが最高である。  この時間の風景が後でテレビで紹介された。  桜に囲まれた水面に浮かぶボートが、日本の素晴らしさを際立たせている。
 展望台を離れて、千鳥ヶ淵緑道を右回りに歩く。  皇居の外周の遊歩道を多くの人がジョギングしているが、左回りが原則である。  歩行者は左右のどちら周りでも良いのだが、左回りの人が多い。  今日は、右回りで歩いたら、左回りで歩く人からいやな目で見られた。  桜を見ようと思ったら、右回りの人は右通行、左回りの人は左通行になる。  左回り、左通行の人が圧倒的に多く、右回りの人は肩身が狭い思いである。  千鳥ヶ淵緑道のスタート地点である田安門交差点に着いてみたら、ポリスが左通行を指導していた。  いやな目の理由を納得したが、結論的には花見の時期は、千鳥ヶ淵緑道は右回りはタブーと云うことになる
 前回、千鳥ヶ淵の桜を見に来たのは、2010年4月6日であったが、その時は確かに左回りだった。  若さを失い、ボート乗りも興味が無くなったが、高千穂峡以来、久しぶりに乗ってみたいと思った。  千鳥ヶ淵緑道は全長約700mの遊歩道で、戦没者墓苑入口から靖国通りまで伸びている。  遊歩道には染井吉野や大島桜など、約260本の桜が並んでいる。  観桜期には、日本全国から100万人以上の人が訪れると云われている。  千鳥ヶ淵は江戸開府後の江戸城拡張の際、局沢川を土橋で塞ぎ止めて造られた。  千鳥ヶ淵が右手に折れて、土橋の田安門橋が見えてきた。  田安門橋の上は、お花見の時はいつも人が鈴なりになる。  九段坂公園に入ると、1871年に靖国神社の献灯として建てられた高燈篭がある。 次は靖国神社へ。

  千鳥ヶ淵 地図の中央の矢印が千鳥ヶ淵です      <東京都千代田区北の丸公園1にて>
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   神池がもう桜の花弁で覆われだした靖国神社の神池庭園

 先ず、田安門橋の北詰の靖国通りにある、田安門交差点の歩道橋へ登る・  歩道橋から東に靖国通りを望むと、北の丸スクエアビルが見える。  右手には、九段坂公園が広がり、右に行くと田安門があり、北の丸公園に至る。  靖国神社への献灯や品川弥二郎の銅像を眺めてから、歩道橋を渡って靖国神社へ。
 東京の桜の名所のひとつである靖国神社の境内には露店が軒を連ねていた。  露店で大判焼きを買って、境内の隅で食べる。  正月に骨董市が開かれた広場には、席が隙間無く置かれて大賑わい。 靖国神社の桜も満開である。  大村益次郎の銅像を後にして拝殿へ。 第二鳥居を潜ると神門がある。   神門の右手の能楽堂の前に、東京の桜の開花を観測している標準木がある。  この標準木に五、六輪の花が咲くと気象台から東京の桜の開花が発表される  靖国神社の境内には、染井吉野をはじめ、山桜、寒桜、富士桜、 緋寒桜、枝垂桜、ウコン桜など約600本の桜がある。
 幸いにもわが親族で靖国神社にお世話になっている人はいないが、日本人として参拝する。  靖国神社の桜は、明治3年に、木戸孝允公によって神苑に植えたのが始まりと伝えられている。  今日は、観桜が目的なので、普段、訪れたことが無い参集殿裏の神池庭園に向かう  参集殿の横に、露国軍艦デイアナ号の備砲である「鋼製三十封度船用加農砲」が陳列してある。  参集殿と靖国会館の間を奥に進むと、相撲場がある。
   一番奥にある神池庭園は、神池の周りを回ることが出来る。  神池庭園は明治の初めに造られた庭園で、全国有数の名園であると云われている。  神池の一部は、既に、桜の花弁に覆われていた。 神池庭園の観桜を最後に、今日の花見を終える。  靖国神社の最寄の駅は、中央線の市ヶ谷駅であり、西側に神社の出口を探す。  歩き回った挙句、靖国神社には西側に出入り口が存在しないことが分かる。  靖国通りに出て、西に向かって歩く。 靖国通りの桜並木も見事で、しかも、今が満開である。  駅前の外濠公園の桜と、「江戸城外堀跡」の石垣石を覗いてから、市ヶ谷駅から帰路に就く。

    靖国神社の神池 地図の中央の矢印が神池です      <東京都千代田区九段北3丁目1にて>
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