きみさらづタワーと中の島大橋      2016年1月25日


   きみさらずタワーの上で向かい合った日本武尊と弟橘媛の銅像

 花輪インターから京葉道路に入り、幕張パーキングに寄って、館山自動車道に入り、市原サービスエリアへ。  木更津インターで降りて、木更津市街地に向かい、親鸞聖人像が立つ「證誠寺」へ。  寺に伝わる伝説「狸囃子」を元に詩人の野口雨情が作詞、中山晋平が作曲した童謡は、 1924年に「證誠寺の狸囃子」として発表された。  證誠寺の狸囃子は館林市の「分福茶釜」や松山市の「八百八狸物語」と共に日本三大狸伝説の1つとされている。  毎年10月中旬に地元の小学生が踊る狸祭りが開催される。  證誠寺参拝の後は、塔の先端に日本武尊と弟橘姫の銅像が向かい合って立つ太田山公園へ。
 公園の入口には、早くも春の訪れを告げる白梅の花が青空を背景に咲き誇っていた。  先ず最初に、木更津市指定文化財の旧安西家住宅に寄る。  旧安西家住宅は18世紀初めの江戸時代中期に建てられたと推定される。  この住宅は上総地方で最も大形の民家で、この地方の建築史を知る上で貴重な資料である。  屋内に入ると、数人のボランティアガイドが待ち受けていて、板張りの広間から説明してくれる。  安西家の祖先は、源頼朝の家来で、草敷の地に土着し、江戸時代には組頭を勤めたと言う。  屋根の向こうには、標高44mの太田山山頂に立つ「きにさらずタワー」が見える。
 1月25日は月曜日で、旧安西家も木更津市郷土博物館「金のすず」も休館だったので2月4日に再び訪れる。  博物館では「金のすず」が示すように、「金鈴塚の輝き」と名付けた展示室を設け、 重文の「上総木更津金鈴塚古墳出土品」を展示している。  受付で説明ガイドをお願いしたら、学芸員の方が出てこられ、国内唯一の出土品である金鈴など、 我々二人だけの参観者に対し熱っぽく説明して頂いた。
 太田山の山頂には橘神社が祀られていて、その隣に「きみさらずタワー」が立っている。  タワーは木更津市にまつわる伝説にちなんだ建設物であり、1992年に市制施行50周年記念に建設された。  全体の高さは28m、展望所の高さは11.7mである。 展望所からは360度の風景を眺めることが出来る。  タワーは「ちば眺望100選」に選ばれている。  塔の上で向かい合った二人の銅像は日本武尊と弟橘媛の悲話に基いている。  日本武尊が相模から上総へ渡ろうとしたとき強風が起こり、妃の弟橘媛が海中に身と投じて鎮めた。  日本武尊の「君去らず 袖しが浦に 立つ波の その面影を 見るぞ悲しき」が残されている。  西を望むと、東京湾の向こうに雄大な富士の姿や東京スカイツリーが見える。  太田山の山頂には弟橘媛を祭った橘神社があり、縁結びのご利益があると言われ、 神社周辺一帯を「恋の森」と呼ばれている。  タワーからの木更津市郷土博物館「金のすず」の眺めを最後に、山を降りて鳥居崎海浜公園に向かう。

  千葉ポートタワー 地図の中央の矢印がきみさらづタワーです      <千葉県木更津市太田2丁目16にて>
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   日本で最も高い歩道橋である中の島大橋

 太田山公園から中の島大橋が架かる鳥居崎海浜公園へ。  公園は与三郎とお富が逢瀬を重ねた場所と言われ、公園の松林は「見染の松」と呼ばれている。  公園は彼等に因んで、恋人の聖地なっているが、カップルが狸であるのが味噌である。  与三郎は木更津に伝わる実話をもとに書かれた狂言「与話情浮名横櫛」の主人公がである。  1954年に発売された春日八郎の歌謡曲「お富さん」で覚えたお富さんが木更津の人とは知らなかった。  木更津の光明寺には与三郎の墓があり、歌舞伎役者の香華が絶えない。
 公園の沖には中の島があり、鳥居崎海浜公園と中の島を「中の島大橋」が繋いでいる。  冬季でも土曜日には花火が打ち上げられ、橋は通行禁止になるが、普段は行き来は自由である。  この時期では、中の島に行っても何も無いが、橋からの景色が見応えがあると言う。  中の島大橋は高さは27.125m、長さ236mの赤い橋で、 入り船のウェルカムゲートとして木更津市のシンボルになっている  中の島大橋は日本で最も高い歩道橋であると云われている。  中の島の向こうに「陸上自衛隊木更津駐屯地」があり、ヘリコプターが引っ切り無しに飛んでいる。  長い橋での散歩を楽しみ、富士山も独り占め。  赤い中の島大橋を最後に、木更津の散策を終え館山自動車道に乗って帰路に着く。

  中の島大橋   地図の中央の矢印がきみさらづタワーです      <千葉県木更津市中の島にて>
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