旧安田庭園と江戸東京博物館      2016年1月13日


   吉良上野介義久の上屋敷があった本所松坂町公園

 両国を散策するために総武線の両国駅で降りて、国技館通りを南に歩く。  両国二丁目交差点まで来ると、目の前に回向院の参道の入り口が見える。  参道を進むと左手に、相撲関係石碑群の「力塚」がある。 回向院境内は相撲興行本場所の地であった。  回向院には石造明暦大火横死者等供養塔、岩瀬京伝の墓や鼠小僧の墓がある。  鼠小僧次郎吉の墓前に欠き取り用の墓石が置かれている。  森の石松の墓石と同様に、欠片を持ってくると「賭け事に勝つ」とか「運がつく」と言われている。
 回向院の南側の小道を東に歩くと吉良上野介義久の上屋敷があった本所松坂町公園がある。  この地は1702年12月14日に赤穂四十七士が討ち入ったところである。  当時は約8400平方米の広さだったが、現在は76分の1のスケールの公園で再現された。  吉良町の華蔵寺にある50歳の頃、彼自身が自ら造らせた吉良上野介義久の木彫りの坐像もある。  公園の片隅には、吉良の首を洗ったと思われる「みしるし洗いの井戸」がある。  公園にある松坂稲荷は赤穂浪士討ち入り後、地所清めのために遷管された。  公園の向い側に、「鏡師中島伊勢住居跡」がある。 彼は葛飾北斎を養子にしている。  公園から更に東に進むと、勝海舟生誕の地である「両国公園」がある。
 両国公園から北に歩き、国道14号京葉道路に出て、西に歩くと、両国3丁目21番4号の地点に至る。  この地は芥川龍之介の母の実家跡であり、「芥川龍之介生育の地」と云われている。  ガード下まで来て、「天丼てんや」で昼食。 両国駅の北側に来ると、国技館は現在初場所の真っ最中である。  国技館の西側の国技館通りには、力士たちの色鮮やかな幟が並んでいる。  幟を見ながら歩くと、最後尾に日馬富士関、白鳳翔関、鶴竜関の文字が見える。  国技館の正門切符売り場を覗いてみると、殆ど完売の状態である。

  本所松坂町公園   地図の中央の矢印が本所松坂町公園です      <東京都墨田区両国3丁目13にて>
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 隅田川と旧中川を結ぶ運河である竪川に架かる竪川水門

 北上して「旧安田庭園前交差点」まで来ると、今日は庭園を無料開放している。  庭園は元禄年間に常陸笠間藩主本庄氏が築いた屋敷跡である。  旧安田庭園は2009年7月20日に訪れて以来、7年振りの訪問だ。  明治維新後は安田財閥を築いた安田善次郎の所有になった。  現在、東京都に寄贈され、昭和24年から一般公開されている。  池で泳ぐ鴨の羽根の白さと赤目の鋭さに引かれる。  閑散とした中、和服姿の婚礼衣装のカップルの姿が眼を引いた。  池はかっては天然の潮入の池だったが、現在は人工的に水位を上下させている。
 旧安田庭園の冬の景色を堪能した後は、隅田川の川岸に下りる。  川岸が遊歩道に整備されている。 上流に向かって歩く。  花壇の向こうに黄色い蔵前橋が見える。 橋長173.2m、支間50.9mで1927年に竣工された。  更に上流に向かって歩き、蔵前橋から、橋長151.4mの厩橋を望む。  橋の前から、隅田川の右岸を望むと、マノー蔵前リバーステージのビルが見え。  蔵前橋から引き返し、先程、河岸に下りた地点を過ぎると、上流に船着場が見える。
 隅田川沿いの首都高速6号向島線の橋桁に書かれた高潮で、伊勢湾台風が凄かったのが分かる。  両国橋の手前まで戻りると、上流に総武本線の鉄橋が見える。  両国橋の下を潜り、下流に歩いて、両国橋を振り返る。  首都高速6号向島線と7号小松川線は隅田川の左岸で合流し、隅田川を横切って右岸へと延びている。   ジャンクションの下には隅田川と旧中川を結ぶ運河である「竪川」に架かる竪川水門がある。  竪川水門の前で竪川に遮られて、遊歩道は行き止まりである。  両国1丁目交差点から両国駅に向かう。  両国駅のプラットホームから日本人力士が優勝できるかどうかで沸騰中の国技館を望んで後にする。

  竪川水門   地図の中央の矢印が竪川水門です      <東京都墨田区千歳1丁目3にて>
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   レオナルド・ダビンチ展が開催中に訪れた江戸東京博物館

 江戸東京博物館でレオナルド・ダビンチ展が開催中で、 彼の「糸巻きの聖母」が見られるとのことで、1月22日に7年ぶりに訪れた。
 この前、江戸東京博物館に来たのは2009年7月20日で、 日本・ギリシャ修好110周年記念特別展で、「写楽幻の肉筆画」の展示だった。  写楽の時と同様に、今回も一点豪華主義で、後は付け足しの作品群だった。  ダビンチの他の作品の紹介もあったが、全て、現地の美術館で見てきたものだった。  「糸巻きの聖母」を鑑賞後、江戸東京博物館の常設展へ。
 日本橋の上からは芝居小屋の「中村座」が見える。  江戸初期の寛永の町人町や吉原の遊郭三浦屋の花魁揚巻と花川戸の助六、 吉原通いの髭の意休などの立ち姿、川を渡る猪牙船と屋形船で賑やかな両国橋西詰の風景 など見て歩く。  最後に、学生時代の半世紀以上前に、乗鞍岳登頂に同行した名車スバルの前で、 当時、珍しかった車に、高山駅で多くの人に取り囲まれ、質問攻めにあったのを思い出しながら、 博物館を後にする。

  江戸東京美術館   地図の中央の矢印が江戸東京美術館です      <東京都墨田区横網1丁目4にて>
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