車山肩と八島ヶ原湿原   2015年07月21日


 黄色い絨毯の往時の面影はない霧ヶ峰車肩ニッコウキスゲの里

 蓼科温泉の蓼科グランドホテル・滝の湯にて蓼科高原での朝を迎える。  滝温泉開湯の年代は古く、平安朝(795年)の頃既に利用されており、 川中島合戦の往還(信玄の棒道)の都度、滝温泉に浸かって戦塵を流したと云われている。  ホテルの廊下には、今上天皇両殿下が皇太子時代に何度も宿泊された時の写真が飾られていた。
 宿を出て、音無川沿いの152号線を北上し、白樺湖からビーナスラインに入ると左手に霧ヶ峰富士見台展望台がある。  2006年に登頂した編笠山の山麓に棚引く雲の上に、山頂が一寸突き出ている富士山が見える。  ビーナスラインの北側にある、霧ヶ峰車肩ニッコウキスゲの里の駐車場に到着。
 レストラン「ちゃっぷりん」の横を通り、丘の上にあがる。 一面にニッコウキスゲの花が見られる。  「ちゃぷりん」の向こうに、2004年に、ここから登頂した車山が見える。  2007年にニッコウキスゲの本場である日光を訪れた時に、日光は鹿の食害で全滅状態で、 保護育成に努めているとのことだった。  確かに花は咲いているが、電気柵で囲まれたごく限られた範囲しか花は見られない。  前回訪れた時は、車山から蝶々深山迄広がる「霧ヶ峰湿原植物群落」が黄色い絨毯で覆われていた。
 電気柵で保護されている場所を除き、鹿の食害で全ての花が食べ尽くされたと云う。  山の斜面には黄色い色素は全く見られない、もっと早く対策を立てるべきだったのに。  鹿に食べられ、色彩の乏しい野原に変貌した霧ヶ峰湿原植物群落を眺め、 日本の貴重な財産が消滅したと思った。  前回の時は、車肩からスタートし、車山経由で、蝶々深山迄歩き、沢渡を通って車肩へ戻った。  晴天の天気予報にも拘わらず、雲行きが怪しくなって来たので、この辺で切り上げ八島ヶ原湿原に向かう。

  車山肩   地図の中央の矢印が車山肩です      <長野県諏訪市四賀にて>
車山肩のニッコウキスゲを、下記の「車山肩のニッコウキスゲ」のボタンをクリックして24枚のスライド写真でご覧ください。  



手前に八島ヶ池、背後に蝶々深山、車山が見える八島ヶ原湿原

 車山肩からビーナスラインを西に走り、八島高原駐車場に車を停めて、八島ヶ原湿原へ。  ビーナスラインの下を潜ると、広場に出る。 目の前に八島ヶ原湿原が広がり、手前に八島ヶ池、 物見岩、蝶々深山、車山などの山々が見える。
 眺めが良い、八島ヶ原湿原の右回りの木道を進む。 八島ヶ池の池畔には高山植物が咲いている。  標高1632mのこの辺りは、八島ヶ原湿原植物群落として、天然記念物に指定されている。  鎌ヶ池が見えて来た、2003年9月15日に訪れた時は、右回りで、旧御射山経由で池の周りを一周した。  鎌ヶ池を少し先に進むと、キャンプ場があり、そこに、米山正夫作詞・作曲の「山小屋の灯」の記念碑がある。  今回は、体力と残り時間を考えて、ここで引き返す。
 天気予報が上天気だったので、出かけて来たが、八島ヶ池に辿りついた時には雨に降られる。  2009年8月25日に、八島ヶ原湿原から鷲ヶ峰に登頂した時の登山口を通り過ぎて、スタートの広場へ。  6年ぶりの八島ヶ原湿原散策であった。 何度を訪れた霧ヶ峰高原であるが、今回が最後だと思うと、 やや心残りがする。  二日間の蓼科高原と霧ヶ峰の散策を終え、中央道から東名への帰路に就く。
 八島ヶ原湿原で名前が確認できた高山植物は、下記の花々であった。  「カラマツソウ」「ホソバノキリンソウ」「ノアザミ」「オカトラノオ」「ハクサンプロウ」  「コウゾナリ」「ヨツバヒヨドリ」「オオカサモチ」「ホソバノキリンソウ」「ヨツバヒヨドリ」  「ヤナギラン」「ノハナショウブ」「ツリガネニンジン」「ウツボグサ」「ノリウツギ」

  八島ヶ原湿原   地図の中央の矢印が八島ヶ原湿原です      <長野県諏訪郡下諏訪町にて>
八島ヶ原湿原を、下記の「八島ヶ原湿原」のボタンをクリックして25枚のスライド写真でご覧ください。  

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