能登金剛     2014年10月29日


 1991年時に訪れた千里浜渚ドライブウェイ

 今年の10月は金婚式の月であるので、50年ぶりに新婚旅行で訪れた能登半島の旅に出る。  熟年者で賑わっている東海北陸自動車道のひるがの高原サービスエリアに到着。  以前から登頂を考えていたが、夢が叶わなかった大日ヶ岳や白山を望む。 登頂出来ずに人生を終わるのが残念。
 東海北陸自動車道を北上し、城端サービスエリアへ。  城端サービスエリアのハイウェイオアシスは木々は色付き始め、合掌造り風のヤギ小屋が建っている。  能登半島には、1964年、1990年、1991年と3回訪れたが、前回は全て米原経由であった。  1991年訪問時は、国道8号線から能登半島へ向い、徳光パーキングエリアに寄ったが、 現在、北陸自動車道のパーキングになっている。
 今回は、北陸自動車道の金沢東インターから、国道8号・159号線を通り「のと里山海道」に入り、 道の駅「高松」に寄る。  1990年の能登半島訪問時も、高松サービスエリアに寄ったが、建物は現在は「里海館」と呼ばれている。  その時は、千里浜インターを降りて千里浜渚ドライブウェイへ。  今回は波が高いため進入禁止になっていたので、已む無く通過する。  「のと里山海道」を柳田インターで降りて、先回訪問出来なかった気多大社へ。
   千里浜渚ドライブウェイ   地図の中央の千里浜渚ドライブウェイです      <石川県羽咋市千里浜町にて>
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 能登国一宮である気多大社の拝殿

 気多大社は能登国一宮であり、創立年代は、第10代崇神天皇の御代と伝えられている。 参道横に建つ天皇陛下行幸記念碑と、ユーモラスな表情をした狛犬を眺めてから、 重要文化財の気多大社神門を潜り境内へ。
 万葉集には大伴家持が748年に参詣した時の歌が載っている。  拝殿は江戸時代の1653年頃に、大工山上善右衛門による造営とされている。  祭神の大己貴命は出雲から船で能登に入り、 国土を開拓したのち守護神としてこの地に鎮まったと云われている。
 拝殿の右にある、重文の摂社白山神社本殿は、1787年に清水次左衛門が造営した。  1787年に造営された、重文の気多大社本殿は、三間社両流造桧皮葺の建物である。  拝殿の左手にある幸せむすび所の建物の中には、 社殿の背後にある入らずの森に生ふる「からたちばな」が置いてある。  「平国祭」で担がれる神輿も展示されている。
 昭和天皇陛下御製碑には、陛下が大社に来訪し、 入らずの森に入って、いたく感動されたと書かれている。  参道脇にある、養老大黒像奉安殿に寄り、大黒様に参拝してから、妙成寺に向かう。
   気多大社   地図の中央の矢印が気多大社です      <石川県羽咋市寺家町にて>
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 1618年に建立の北陸唯一の妙成寺の五重塔

 気多大社から羽咋濃免道路を北に走ると、日蓮宗の北陸地方の本山の妙成寺がある。  受付を過ぎて参道を進むと、左手に「浄行堂」があり、浄行菩薩に参拝する。
 仁王門を潜ると正面に、北陸唯一の五重塔が見える。  高さ34.18mの妙成寺五重塔は、1618年に建立され、重要文化財に指定されている。  金栄山妙成寺は、五重塔を初め、本堂、鐘楼など重要文化財が10棟もある。  1625年建立で重文の鐘楼は、板囲いと入母屋屋根とがよく均整を保っている。
 1670年建立で重文の妙成寺経堂、境内の一番奥にある、釈迦堂とも呼ばれている妙成寺丈六堂、  重文の妙成寺番神堂、三光天像を安置している妙成寺三光堂、1614年建立の三十番神堂の拝殿などを参拝する。  重文の妙成寺本堂は加賀藩第三代前田利常公の帰依により建立された。
 妙成寺は日蓮宗の北陸地方の本山で、加賀前田家初代から5代に渡って造営された。  池泉観賞式の庭園の紅葉の向こうに、五重塔が見える。  書院や客殿を最後に妙成寺の参拝を終えて、福浦港へ。
   妙成寺   地図の中央の矢印が妙成寺です      <石川県羽咋市滝谷町にて>
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 現存する日本最古の木造灯台である旧福浦灯台

 県道36号志賀富来線の外浦街道を北上し、 左手の町道に入り郵便局を過ぎると、Yの字の交差点で案内板を見つける。  差し当たって車を停める所も無いので、地元の人に尋ねたら、公民館の駐車場と灯台への道順を教えて呉れた。
 交差点から細い道を海に向かうと、旧福浦灯台へ180mの案内板があり、海を見ながら北に歩く。  目の前に、白い旧福浦灯台が現れた、現存する日本最古の木造灯台である・  灯台は1876年に日野吉三郎が建造したもので、旧灯台は高さ約5mで、内部は3層になっている。
 灯台の起源は古く、1608年に日野長兵衛が夜に篝火を焚いたのが始まりと云う。  元禄年代に灯明堂が建てられ、日野家が代々灯明役を勤めた。  1952年に現在の福浦灯台が設置されるまで使用された。  旧福浦灯台から福浦港の周辺の景色を楽しんだ後、厳門に向かう。
   旧福浦灯台   地図の中央の矢印が旧福浦灯台です      <石川県羽咋郡志賀町福浦港にて>
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 能登二見と呼ばれている夫婦岩の機具岩

 旧福浦灯台から、外浦街道を北上して、能登金剛の厳門へ。  能登金剛センターに問い合わせたら、今日は波が高くて遊覧船は就航していないとのこと、残念。  左下に、海岸沿いの遊歩道が見えて来た、近くに巖門や遊覧船乗り場がある。
 海につき出した大きな岩山の中腹に厳門洞窟の入り口がある、洞窟の中の石段を降りて行くと、海岸に出る。  洞窟から外に出ると、正面に高さ約27mの鷹の巣岩が見える。  右手には岸壁が連なり、中央に洞窟がある。  洞窟はトンネルになっていて、向こうの海が見える。  巖門は幅6m、高さ15m、奥行60mもある。
 1990年に能登半島を一周した時もここを訪れた。  巖門の南には、義経主従が碁を楽しんだと伝えられる碁盤島がある。  展望台に登り、北を眺め、海士岬がら右に目を移すと、直ぐ前に「猪ノ鼻」の岬が見える。  巖門周辺の、能登金剛の絶景を十分楽しんだ後、直ぐ北にある機具岩に向かう。
 国道249号外浦街道を北上し、生神トンネルを潜ると左手の海岸に「機具岩」がある。  機具岩の二つの岩は、伊勢の二見岩に似ていることから「能登二見」と呼ばれている。  高さ16mの女岩と高さ12mの男岩から成り立っている。  アルバムの一枚の写真から、四半世紀前にも機具岩を訪れたことが分かる。  二つの岩は太い注連縄で結ばれている夫婦岩である。  能登比盗_社の祭神が賊徒に襲われた時投げた機具がこの地に飛んで機具岩になったと云う。  機具岩の次はヤセの断崖へ。
   能登金剛の厳門   地図の中央の矢印が能登金剛の厳門です      <石川県羽咋郡志賀町富来牛下にて>
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 松本清張のゼロの焦点の舞台になったヤセの断崖

 能登金剛の機具岩からヤセの断崖に向かう途中に、 増穂ヶ浦の3kmも続く白浜があるが、今回は時間無いのでパスをした。  24年前には、世界一長いベンチも未だ無く、短いベンチで一休み。
 ゼロの焦点のロケ地であった、能登半島国定公園、能登金剛ヤセの断崖に24年ぶりに到着到着。  ヤセの断崖は、能登の峻烈なイメージを抱かせた松本清張の推理小説「ゼロの焦点」の舞台で、 悲劇のヒロインが最後に身を投じた断崖である。  しかし、平成19年3月25日の地震で、断崖の突端部分が崩落してしまった。  24年前は断崖の突端部分に立つことが出来たが、現在は柵に拒まれて近づけない。
 ヤセの名前の由来は、高さ35mの断崖の先端に立って海面を見下ろすと身もやせる思いがするとの説もある。  冬の荒波に象徴される外浦の代表格のヤセの断崖も、穏やかな光の中、 柵で近づけない状況では、感激するような場所と云えなくなった。  ヤセの断崖から北を望むと、手前に関野鼻の岬、南には、 四十八隻の舟を隠したと云われている「義経の舟隠し」の入江がある。
 24年前は関野鼻に寄って、ヤセの断崖を遠望する。  現在の関野鼻は、2007年の能登半島地震で壊滅的打撃を受けて観光地としての魅力が低下した。  関野鼻には散策路があり、以前は、荒波に削られた断崖や奇岩を楽しむことが出来た。   関野鼻から総持寺に向かう途中、赤神トンネルの手前で一服し、海岸の奇岩を眺める。  総持寺祖院は、約700年前に曹洞賜紫世界第一の道場として開かれた曹洞宗大本山であが、 明治34年の火災を期に本山が神奈川県鶴見に移された。
 24年前は総持寺を最後に帰路に就き、夕日の名所としても知られている千里浜渚ドライブウェイに寄り、 夕日を堪能した後、300kmの道のりを走り深夜に帰宅した。  今回の旅の目的である、50年前の1964年10月12日に宿泊した丘の上に建つ輪島温泉「八汐」に到着。  殆ど記憶にない、50年前の想い出を描きながら、名物鯛しゃぶを囲んで能登半島の旅を楽しむ。
   ヤセの断崖   地図の中央の矢印がヤセの断崖です      <石川県羽咋郡志賀町笹波にて>
ヤセの断崖周辺の風景を、下記の「ヤセの断崖」のボタンをクリックして11枚のスライド写真でご覧ください。  

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