鶴仙渓と那谷寺         2011年05月16日


 鶴仙渓に架かる、新緑に囲まれた、こおろぎ橋(左)

 山中温泉の宿、翠明にて加賀の里の朝を迎える。  ホテルの駐車場に車を置き、山中温泉の朝の散策に出かける。
 大聖寺川に沿って南に歩くと、白鷺大橋があり、その川上に石橋の黒谷橋がある。  橋の袂から川原に降りると、こおろぎ橋までの鶴仙渓遊歩道が続く。  奥の細道の旅で、芭蕉が訪れたことを記念して、芭蕉庵が建てられている。
 遊歩道の中間辺りに道明ヶ淵があり、その上に赤いモダンな「あやとり橋」がある。  あやとり橋は勅使河原宏氏デザインのユニークなS字型の橋である。
 川の中に浮かぶ菜石巌を過ぎると、遊歩道の終点であるこおろぎ橋に到着する。  紅葉に覆われたこおろぎ橋は山中温泉で最も有名な紅葉の名所である。
 橋を渡って、山中温泉ゆげ街道に出る。  芭蕉が山中温泉で詠んだ「山中や 菊はたおらぬ 湯の匂」に因んで名付けられた、菊の湯がある。  最後に、芭蕉の館で芭蕉や泉屋の若主人「桃妖」を偲んで、山中温泉の散策を終える。
 鶴仙渓のこおろぎ橋    地図の中央赤い「+」印がこうろぎ橋です             <石川県加賀市山中温泉下谷町にて>
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  花山法王や芭蕉が絶賛した、那谷寺の奇岩遊仙境(左)

 芭蕉の足跡を辿り、山中温泉から那谷寺へ。  楼門造りの山門を潜ると、左手に、新しい金堂の華王院や宝物館の普門院がある。
 更に参道を進むと、弁天祠がある小島が浮かぶ蓮花池があり、 背後に、芭蕉が、石山寺の石より白いと詠った「奇岩遊仙境」が聳えている。  唐門の前まで来て、左折すると奇岩遊仙境の岩の上へ登る小道がある。
 簡単な窪みを穿った道は、滑りやすく、手摺も無いので、自己責任で登って下さいとの注意書きがある。  団体ツアーでは登る機会も無いので、登ってみたら、岩の上から眺める那谷寺の境内も捨てたものではない。
 岩頂には洞穴があり、石仏が祀られていた。  観月堂や鎮守堂を眺めながら、慎重に降りる。 途中に、稲荷社があり、水掛不動の横に出る。  そこから、石段を登ると、大悲閣拝殿と本殿がある。  三重塔へと足を運び、楓月橋を渡って、展望台に登り、花山法王や芭蕉が絶賛した奇岩遊仙境を望む。  「石山の 石より白し 秋の風」の句碑や庚申像を眺め、若宮白山神社や護摩堂に参拝する。  重文の鐘楼を最後に眺め、那智寺の拝観を終える。
 那谷寺    地図の中央赤い「+」印が那谷寺です             < 石川県小松市那谷町にて>
 那谷寺を、  下記の「那谷寺」のボタンをクリックして、30枚のスライド写真でご覧ください。  


 全昌寺の境内に立つ芭蕉塚と曾良の句碑(左)

 芭蕉が那智寺の次に訪れた、全昌寺へ。  この寺にも芭蕉が一泊し、「庭掃いて 出ばや寺に 散る柳」の句を残したことで知られているが、 現在は杉山杉風作の芭蕉の木像があるだけだ。
 現在では、秀吉の朱印状や色鮮やかな五百羅漢像が参観対象になっている。  境内には、芭蕉や曽良の句、奥の細道の文や深田久弥の文を彫った石碑が立っている。
 一般には余り知られていない全昌寺を訪れる人は少なく、今日も、私どもだけであったが、 それが幸いして、住職さんに、朱印状を始め北大路魯山人の展示品まで丁寧に説明して頂いた。
 外に出ると、深田久弥の山の文化館の案内板が見に付いたので、急遽、足を延すことにする。  深田久弥は大聖寺の出身で、絹織物工場の建物を改造した文化館では、 彼の足跡に関する資料が展示してある。
 地元の小学生と一緒にビデオを見てから、加賀の里を離れて帰路に就く。
 全昌寺    地図の中央赤い「+」印が全昌寺です             <石川県加賀市大聖寺神明町にて>
 深田久弥の山の文化館    地図の中央赤い「+」印が山の文化館です           <石川県加賀市大聖寺番場町にて>
 全昌寺と山の文化館を、  下記の「全昌寺と山の文化館」のボタンをクリックして、20枚のスライド写真でご覧ください。

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