黄龍           2007年5月4日

 
    高度4120mの峠から高度5588mの雪宝頂を望む(左)   

 黄色の粉塵で覆われた中国大陸の上空を飛んでいた飛行機が高度を下げ始めたら、 眼下に、白銀に輝く峻厳な頂が連なる山々が見えてきた。  昨日の夕方に到着する筈の飛行機が、実に、20時間遅れの到着である。
 目的の九寨溝空港は、これらの山々に囲まれた、3500mの高所にある。  この地方の交通の要所である「川主寺」の上空からは東に黄龍へ向かう、 高度4120mの峠への道が続いていて、 その峠の南に槍ヶ岳を思わせる、高度5588mの雪宝頂が聳えているのが見える。
 飛行機は、峠の北にある九寨溝空港に着陸した後、九寨溝観光のために新設された新空港の最寄の街として、 観光の中心都市に変貌した「川主寺」を経由して、峠の道を登り始める。
 昨日の雨がスッキリした青空に変わり、峠に近づくにつれて、雪宝頂の名峰が手に取るように見えていた。  高度500mの成都の街から、2時間ほどで、一気に高度4120mの高所まで登ったので、 高山病を心配しながら、酸素ボンベを片手に、峠を下って黄龍に向かう。  
 <中国四川省九寨溝県黄龍風景名勝地区にて>

 雪宝頂の展望を、 下記の「雪宝頂」のボタンをクリックして、23枚の写真でご覧ください。


 
    観光客で賑わう、高度3200の高所にある黄龍溝のスタート地点(左)   

 黄龍の五彩池の展望台は、高度が3650mもあるので、ユングフラウ・ヨッホの 展望台で体調を崩したお連れさんは、インターネットで体験談を読むなど、万全の用意をしてした積りであった。  添乗員の説明でも、最初に九寨溝観光を行い、事前に高度2200mのホテルに二泊してから挑戦するので 大丈夫ですよと云われた。
 しかし、飛行機の到着が20時間も遅れたため、黄龍観光が先行することになり、2時間余りで、3000m余りも 高度を上げ、朝のスタートが午後4時のスタートで、日が暮れないうちにバスに戻るようにと、 想定外の強行スケジュールになった。
 昨年、ロープウェイが新設されたため、新たな観光地として中国本国でも脚光を浴び、現地人で大人気になっているらしく、 バスで詰め掛けた中国人で溢れていた。  ガイドによると、今日は数千台のバスが入山したの話だが、徒歩でも6時間で五彩池まで往復出来るようだ。
 ロープウェイを降りると、目の前に雪山が迫ってくる。  玉翠山(5100m)だろう。  酸素を吸いながら、桟道を足早に歩く。 目先が広がると、右手に黄龍古寺の建物が見える。  そこまで一気に上ると、裏手にお目当ての五彩池がある。
 五彩池の展望台に登った頃には、太陽が山陰に沈み、日の光が池に差し込む状態ではなかったが、 それでも、黄色からコバルトブルーまで多彩に輝く池面を楽しむことが出来た。  遊歩道は、完備された桟道で、歩き易かったが、明かりの設備など見られず、日が暮れると漆黒の闇に包まれる恐れがある。
 急ぎ渓谷を下ったが、この辺りの春の訪れは遠く、高山に積もった雪が解けて流れ出すのは未だらしい、  石灰岩で形成された白い棚田の造形は、変化に富んでいたが、水で満たされてないので、やや物足りなかった。、  高山病の心配も杞憂に終わり、急いだ甲斐もあって、晴天の下、未だ明るい7時半にバスに戻ることが出来た。
 <中国四川省中国四川省九寨溝県黄龍風景名勝地区にて>

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