田宮寺(真言宗)         2005年3月2日


 奈良時代に行基が創建した田宮寺(左)

 725(神亀2)年、行基が聖武天皇の勅命で創建したと伝えられる寺で、 空海を中興の祖とし、10世紀末に内宮長官荒木田氏長が再興してからは 荒木田氏の氏寺となった。  その荒木田神主たちが真言宗の僧侶の中から歴代の住職を選び、 神宮法楽寺として維持した。
 戦国期には国司北畠氏の信仰も得て寺領も与えられたが、 織田信長の伊勢攻めのとき兵火によって消失した。  その後、再興され、豊臣氏、稲葉氏、藤堂氏、紀州徳川氏と、代々の権力者や領主から寺領を 認められて明治維新を迎えたが、廃仏毀釈により堂宇のほとんどが破却され廃寺となった。
 現在は田宮寺に伝わる重要文化財である本尊の十一面観音立像2体(夫婦観音)を安置する 観音堂と庫裏を残すだけである。  本尊の十一面観世音菩薩は平安前期の作とされる。  像高170cmとほぼ等身大の観音様は、縁結びにご利益有り。  毎月18日に奉賛会の人々によって開帳され、県外からの参拝者も訪れる。

田宮寺の場所 地図の中央「+」印が寺の有る場所です

<三重県玉城町にて>



玉城町を歩く