浄土山(2831m)          2012年7月26日   


 室堂山展望台から北アルプスの山々を望む

 天狗平での2日目の朝を迎える。 昨日と打って変わって快晴だ。  白山連邦から、立山連峰の山々がくっきり見える。 剣ヶ岳も雲ひとつ架かっていない。
 昨日と同様、山荘の車で室堂まで送って貰い、宿で一緒だったパーティーと記念写真を撮った後に、 室堂山展望台を目指す。 彼らはアルペンルートで黒部ダムへ行くらしい。  一の越に向かう登山道は、既に人で埋まっている。 右折して浄土山に向かう道に入る。  浄土山に向かうのは私共だけなのに、雄山に向かう列は途切れることが無い。
 直ぐに、雪渓の登りとなる。 この季節の立山は、何処に行ってもチングルマが咲いている。  背後には、別山と奥大日岳の間に、猫又山が見えてきた。  立山ホテルや富山県立山センターの建物が小さく見える。  人影の無い静かな雪渓を黙々と登ると、浄土山左折の標識が見えてきた。
 後から登ってきた人に次々と追い抜かれて、登山道も賑やかになる。  やっと室堂山展望台に到着。 右手の室堂山の南には立山カルデラが広がり、鍬崎山の後ろに日本海が見える。  谷底の刈込池から上へ目をあげると、白山連邦、そに左に、五色ヶ原、鷲岳、鳶岳、薬師岳の一団の山々、 更に左に、黒部五郎岳、笠ヶ岳、赤牛岳、奥穂高岳、槍ヶ岳、野口五郎岳、手前に左に、 獅子岳、鬼岳、浄土岳と続く。  筆舌に尽くし難い絶景を堪能した後、浄土山に向かう。
 室堂山展望台  地図の中央の矢印が展望台の場所です
  <富山県中新川郡立山町芦峅寺にて>
 室堂山展望台の風景を、下記の「室堂山展望台」のボタンをクリックして79枚のスライド写真でご覧ください。


 浄土山の山頂から左手に、剣岳から雄山まで山々を望む

鉢ノ木岳竜王岳剣岳雄山
 室堂山展望台を後にして、来た道を戻ると分岐点があり、右折すると浄土山の登山道になる。  泥道の雪渓を横切り岩場を登ると左手に大日岳が見えてきた。
 急坂の岩場が続き、止まっている時間が多くなる、山荘の主人がこの道を進めなかった訳が分かる。  山頂に近づくに連れて、色々な高山植物が花を咲かせている。  イワカガミやミヤマクロユリなど見ながら歩いていると、突然、目の前に雷鳥が現れる。  人馴れしているのか、こちらには全く無関心の様子で、じっくり観察する。
 山頂らしき所に出るも、標識は見当たらない。  山頂の草原を歩いていると、足下で雷鳥の鳴き声がする。  雷鳥の親子を発見、数匹の子供の雷鳥は周りを歩き回るのに大忙しだ。  親鳥は身動きもせずに、こちらをじっと見つめている。  立ち止まったまま、長い間雷鳥を観察することが出来た。
 南北に長く延びている浄土山の山頂を富山大学研究所に向かって歩くと、後立山連邦の鉢ノ木岳が見えてきた。  大勢の登山者が休憩している、研究所の前の広場に到着、右手にはガスを背景に竜王岳が見える。  左手には、剣岳から雄山まで連山が見える。 こちらの方も浄土山の山頂みたいだ。  上天気に誘われて、多くの登山者がやって来たのか、雄山への登山道は、気持ちが悪くなるほどの人の多さに唖然とする。
 浄土山  地図の中央の矢印が浄土山の山頂の場所です
  <富山県中新川郡立山町芦峅寺にて>
 浄土山の風景を、下記の「浄土山」のボタンをクリックして72枚のスライド写真でご覧ください。


 雄山山頂の右下に見える、日本初の現存する氷河の御前沢雪渓

 57年ぶりに眺める浄土山からの剣岳を脳裏に刻み、一の越への下山を開始する。  雄山山頂の右下に、日本初の現存する氷河と云われている、御前沢雪渓が見える。  少し下ると、西側に室堂平、東側に後立山連峰が見えてきた。
 雄山の山頂を正面に見ながら歩く、一の越の山荘が直ぐ下に見えるが、なかなか近づかない。  下山するにつれて、周りに高山植物の花々が増えてきた。  途中で一緒になった、熟年登山者が丁寧に解説してくれたので、花をカメラに収める。  草むらの中に、紅色に目玉のような斑点がある蝶を発見、珍しい蝶だとのことでカメラに収める。  高山に生息する蝶のベニヒカゲだろうか。
 雄山から集団の塊になって下山する登山者の群れが見える。  一の越に到着、名古屋から来た若いカップルと談笑、昨日の57年ぶりの雄山登山の話をする。  彼らも、50年後の再登頂を頭に描いただろう。  一の越からの下りは、雪渓を横切る行列が出来ている。  一の越からは、浄土山山麓を巻くように続く雪渓歩きになる。
 立山室堂山荘の脇を通り過ぎて、室堂平のバスターミナルに到着。  室堂平から、更に天狗平まで目指す。  未だ、残雪がある雪の大谷を左手に望み、高山植物を見ながら木道を歩くと、 前方に立山高原ホテルの建物が見えてきた。遊歩道の周囲には残雪が未だ残っていて、慎重に歩く。
 登山には時間も遅く、大自然の中で歩いているのは私たちだけである。 天狗平山荘に到着。  夕方のソーメン滝を訪れる。 立山連峰を中心に、全山が夕焼けに染まって荘厳な雰囲気になり、 57年ぶりに訪れた天狗平の良い思いでになった。
 御前沢雪渓  地図の中央の矢印が御前沢雪渓の場所です
  <富山県中新川郡立山町芦峅寺にて>
 浄土山から天狗平までの風景を、下記の「浄土山から天狗平まで」のボタンをクリックして106枚のスライド写真でご覧ください。

   
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21世紀からの山歩き