白猪山(820m)         2006年4月25日




   桜の花が咲いている登山道を白猪山山頂へ(左)              白猪山山頂にて堀坂山を背景に(右)

 今日は三重県が、晴天の確率が一番高いとのことで、急遽、白猪山を目指すも、ハプニング(Hは大、Hは中、hは小)の連続であった。  未踏の山に、ガイドブックと地形図だけを頼りの山歩きは想定外の事態になりやすい。  白猪山に関しては、山と渓谷社の「三重県の山」と「名古屋周辺の山」「関西周辺の山」の三冊を参考にした。
 松坂インターで降り、国道166号線の和歌山街道を坂内川沿いに走り、丹生寺町辺りで道を間違う(h1)。  再び国道に戻り、予め読んでおいたガイドブックと登山口道標に従い、バス停「大石幼稚園前」から駐車可能とある大石町の北谷へ入る。  直ぐに、擦れ違いが出来ない細い道になり、適当な空き地も見当たらない。
 持参してきた「関西周辺の山」の方には、深野地区の夏明登山口には駐車可能な広場があると説明があり、再び国道に戻って、 深野のバス停から深野の集落に入る(h2)。  広い道を少し進むと、「左大型、右小型」の標識があったので、迷わず右に進んだら、曲がりくねった細い道で、往生する。  ここの常識では、大型は小型車、小型は軽自動車と云うことらしい(H3)。
 一日中上天気だと思ったのに、突然、黒雲が空一杯に広がり、雨が激しく降ってきた(H4)。  道は益々怪しげになるので、引き返そうかと思ったが、Uターンもままならず、 地元の人を見付けて尋ねたら、この先を更に登って行くと、登山者用の駐車場があるという。  半信半疑で行ってみると、数台駐車できる立派な広場があった。  先ほどの「左大型」の道を進めば、難なくこの駐車場に辿り着けた訳である。
 駐車場で登山の準備をしていたら、雨は止み、青空が広がりだした。  ハプニングでスタートが1時間余り遅れたが、順調に到着して歩き出していたら、雨具は持参してきたものの、 ずぶ濡れになったかも(H5)。  杉林の登山道を登ると、桜の花がひらひらを落ちてきた。  見上げると、大きな数本の桜の花が空を覆っていた。  青空がまた灰色に変わり、ぽつぽつ雨が落ちだした。  春の天気は変わりやすい。(h6)  雨宿りする場所も無いので、雨具を用意しだしたが、石尊大権現に着いた頃には再び青空が広がりだした。  横のピークの展望台から眺める櫛田川流域の集落は靄に霞んで見える。
 満開の桜の花と、青空の中の白猪山を眺めながら山頂へ。  山頂からは堀坂山や山頂が尖った尼ヶ岳 など、白猪山を加えた伊勢3山が見える。  晴天は戻ったものの、風が吹き出したので、記念写真だけ撮って早々に下山開始。  石尊大権現手前のピークで写真を撮っている間に、お連れさんは先に歩き出す。
 登山道はピークから石尊大権現前を通って一直線下っている。  急いで後を追う。  可なり歩いても追いつかない。  日頃から、先行者は追行者を常に意識し、確認できないときは待つようになっている。  両側の様子も登ってきた道と何か違っていると思い、地形図をコンパスを出して確認する。  登山道は石尊大権現前で矢下道と夏明道に分岐していて、右手の脇道の夏明道を見逃して矢下道を下って来たらしい(H7)。  可なり下ったようだが、改めて、石尊大権現まで上り返す。
 はぐれた場合、最後に確認した所まで戻るのが暗黙に了解だが、お連れさんは石尊大権現に 姿がないので想定外の事態が起こったらしい。  山の中であるが、もしかしたら携帯が使用できるかもと取り出してみたら、通信可能だが電源が切ってあった(H8)。  姿を見失った後で、こちらに何べんも電話を掛けたとのことで、電源が入っていれば大したことは無かった。
 お連れさんは分岐点近くの石尊大権現の小屋の扉を開いて、 外から中が見えるようにして、記帳を眺めていたが、私が横を通り過ぎるのを感じていて、 こちらに気づき、声を掛けたと勘違いし、来た道を先に下山したと思っていた(H9)。  幾ら下山しても姿が見えないので、異常と感じ、石尊大権現まで戻ったが姿が見えず、やっぱり先行したと判断して、 再び、下山を開始した訳である(h10)。  携帯電話で確認したら、もう可成り下の方に行っていた。
 先行者を追い抜いたことに気が付かない場合が一番危険である。  過日、印度大陸で放浪者になる恐れがあった、人生最大の経験時に、確信だけ頼りに、 2時間半も救助を待ったて助かったが、なんと云っても、コースと確信できる最終地点で動かずに待つことが基本である。  今回は、携帯電話の助けで難を逃れることが出来た。  無事、駐車場にたどり着けたが、今回も登山中に誰一人として遭うことのない静かな山行であった。    

  <愛知県松坂市大石町>  白猪山 地図の中央「+」印が山頂の場所です

       





   中山薬草薬樹公園にある「元丈の館」の足湯(左)           亀山ハイウェイオアシスの高塚池(右)

 駐車場から深野地区に下りると、民家が石垣で囲まれている。  この辺りは江戸時代に豪雨に襲われて壊滅的な打撃を受けた所で狭い道の両側に芸術的な石垣が連なっている。  水がはられた小さな田んぼが上の方から何段も重なって続いている。  この深野地区の棚田は日本の棚田百選の一つで 深野のだんだん田 と呼ばれている。  又、松坂牛の発祥の地でもあると言う。  国道166号線に出ると、右手に「薬草薬樹公園」「元丈の館」>の表示があったで、寄ってみる。  日本薬草学の先駆者野呂元丈の生誕地で、 薬草薬樹公園があり「元丈の館」には足湯もある。  地元の人のお話を聞きながら、ローズマリーの薬湯に浸かり、登山の疲れを癒してから帰路につく。  途中で、東名阪自動車道の亀山ハイウェイオアシスに寄り、 亀山シャンシャインパーク の高塚池を一回りする。

 元丈の館 地図の中央「+」印が館の場所です

  <三重県多気町多気町波多瀬>


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21世紀からの山歩き