八王子峠から御坂峠(1075m)へ         2005年11月20日

   八王子峠にある新宮の森の紅葉(左)   

 東海環状自動車道が開通してから美濃インターに短時間で行けるようになった。  お陰でインター近くの山は殆ど登頂できた。  残っているのは瓢ヶ岳なので、今回はその山を目指した。  登山道は片知渓谷や川干林道などがあるが、以前訪れたことのある粥川谷に入り、 平成4年に遊歩道が造られた宮奥林道の登山口に向かって車を進める。
 県道315号白山内ヶ谷線の終点である星宮神社を過ぎ、 その奥に続く林道を進み林道宮奥支線の入り口に立つ標識まで辿り着いたものの、 崩落のため立入禁止の立て札があり、登山道がロープで閉鎖されている。  ガイドブックと地図だけを頼りにやって来ると良く出会うケースである。
 林道が左右に分かれていて、左手が立入禁止になっている。  さし当たって、右手の林道を進むと、車がやってきた。  勿論、すり違へは出来ないので、出来るところまでバックする。  道は益々細くなるが、突然良い道になり峠に到着。  直ぐ横に「八王子峠」と書いた石碑がある。  地形図やガイドブックには八王子峠の地名は見あたらない。  予定外の所まで走って来たので、持参した地形図の外へ出たらしく、 現在位置が不明であるが、太陽の位置と周りの地形から、 県道終点から、国道256号線の那比に続く道の途中にある峠らしい。  この付近は新宮の森と名付けられていて、今、将に紅葉の真っ盛りである。  空き地に車を停めて、紅葉のトンネルになっている新宮の森を散策する。  途中で林道を走って来たトラックの運転手に声をかけられ、 現在位置などを教えて貰う。  この辺りは、ハイカーが歩くコースから外れているらしい。  山の上へと林道が延び、進入禁止の立て札があるが、歩くには大丈夫だというので、 30分程で登れそうな小高い山頂へ向かってスタートする。

 八王子峠 地図の中央「+」印が峠の場所です

<岐阜県郡上市八幡町那比にて>



 粥川谷上流の北側尾根から御嶽山を望む(右)

 地形図無しで未踏の山道を歩くのは久しぶりだ。  小高い所に登れば景色も良く、回りの状況も分かるだろうと、 八王子峠から30分程で登れそうな峰を目指す。  登山道の両側の紅葉は素晴らしい。  名のある山頂に登れなくても、山道を歩くだけで十分満足できる。
 目標の峰にたどり着いたら、この峰が、所謂、偽ピークで、 更に上の方にどこまでも林道が続いている。  高度が上がり、右手に高い二つの峰が見えてきた。  あれが今日登る予定だった瓢ヶ岳(1163m)と奥瓢ヶ岳(1155m)だ。  広い林道は木立が伐採されていて、景色は抜群、御嶽山や乗鞍岳が手に取るように見える。  林道は左手の瓢ヶ岳と登りになっている右手の道に分かれている。  この辺で高い山は瓢ヶ岳ぐらいだろうから、兎に角、高いところに行こうと更に登る。
 地図も持たずにむやみに歩くことは如何に無謀なことかを、後で実感する。  突然、舗装された広い道路に出て、向こうに見える山の麓に続いている。  一体何処にいるのだろうか、何で、こんな山の上にこんな良い道があるのだと驚く。  最後らしい山の麓にある峠まで行って引き返すことに決める。
 峠から下りてきた人に、この山は何処ですかと尋ねたら、 2003年6月8日に登頂した、高賀山だという。  八王子峠から小高い峰へ続いている道と安易に考えて登り始めた行く先が、 中濃最高峰の高賀山(1224m)へと延びていたとは驚愕ものだ。  峠からは30分で高賀山山頂に行けると言う。  山頂は満員で休むところもない?程だそうだ。  前に、高賀渓谷から登った時、御坂峠の東に、山の中には不釣り合いな立派な広域幹線林道中美濃線に 遭遇し、驚いたことがあったが、今日はその林道を登ってきたことになる。  もう、正午も過ぎたので、無理をせずに引き返すことにする。  上天気の一日で、帰り道も御嶽山を見ながら無事、八王子峠に到着し、 高賀六社の一つである那比新宮神社に参拝してから帰路に就く。    

 御坂峠 地図の中央「+」印が峠の場所です

<岐阜県郡上市八幡町那比にて>



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