王ヶ頭(2034m) から茶臼山(2006m)へ   2005年8月18日





      日本百名山美ヶ原の最高峰「王ヶ頭」(左)                   松本市が眺望できる「王の鼻(2008m)」(右)

 夏も盆を過ぎると不安定な天候が続き、アルプスを目指すような上天気には恵まれない。  インターネットで天気をフォローして、やっと曇り時々晴れ降水量零の予報が出たので、高山は無理でも高原ならば何とかなるのでは と美ヶ原高原を目指す。  山本小屋の駐車場に着いたが、辺りは一面の霧に覆われ視界が利かない。  冷気の中の散歩でもと思って来たので、雨具を持って霧の中を歩き出す。
 美ヶ原高原ホテル の前に出たので、プロントで空き部屋があるか聞いたところ、 宿泊出きるとの返事なので、兎に角、今晩の宿だけは確保する。  夕食時に分かったことであるが、名簿に、我々だけ鉛筆書きでFleeと書かれたあった。  覗きこむと、他の連中は全て旅行社経由などの予約客で飛び込みは我々だけであった。
 道の両側にある牧場の柵だけを見ながらの歩きは、退屈そのものだ。  やっと、美しの塔に到着。  今まで何回も美ヶ原に来たが、この塔を眺めて「さようなら」、後は美術館などへのコースであったが、 今回はウォーキングが目的なので、先ず、標高2034mの日本百名山美ヶ原の最高峰「王ヶの頭(オウガトウ)」へ。  南からの湿った暖かい風が、此処までは霧を発生し、視界は零に近い。  美ヶ原の西側の最先端である標高2008mの「王ヶ鼻(オウガバナ)」までは、この湿った風が届かず、視界良好の場合が多いと、 期待を持って、王ヶ鼻を目指す。
 牧場が王ヶ頭まで広がり、遊歩道は単調な牧草が取り巻いているだけであったが、王ヶ頭から王ヶ鼻までは高山植物が 密生した素晴らしい遊歩道に変わり、途端に上機嫌になる。  特に、この時期は、夏と秋の両方の花々が咲き乱れ、高山植物が一番多い季節であるという。  標高2008mの王ヶ鼻(オウガバナ)に到着。  此処まで来ると、霧は晴れて、眼下に松本の市街地が拡がって見える。  正面には北アルプスの山々が屏風のように立ちはだかっているが、残念ながら山頂は雲に覆われて確認できない。    

 王ヶ頭 地図の中央「+」印が山頂の場所です

 王ヶ鼻 地図の中央「+」印が山頂の場所です

<長野県松本市にて>







      牛が近寄る牧場の中の道を通り茶臼山山頂へ(左)           美ヶ原で人々が最初に登頂する牛伏山(1990m)

 王ヶ鼻から再び王ヶ頭に戻る。  来るときには霧に隠れていた美ヶ原高原に広がる牧場が姿を現し、遠くに美しの塔まで見えてきた。  牛に塩を与えたと言う「塩くれ場」まで来たら、ここから茶臼山まで50分とある。  明日にでも登頂しようと思ったが、天気も良くなったし、ホテルに入るには未だ時間が早い。
 思い切って、茶臼山を目指すも、分岐点が有り、直進すると三城牧場に至り、茶臼山への道は柵に囲まれた牧場の中へと続いている。  此処で引き返そうと思ったら、後からやって来た男性が、この牧場の中の道を進む旨、聞いてきたから大丈夫ですよと云う。  牧場の中に入って歩き出したら、登山道の両側に牛が屯していて、一匹が此方に近づいてきたので緊張する。  ハイキングコースのような道を歩いて、茶臼山山頂に到着する。  天気が更に良くなって、明日にでも登ろうと思っている物見石山が鮮やかに見える。
 一旦ホテルに顔を出してから、山本小屋の前に停めた車を取りに行く序でに、牛伏山に登頂。  山頂から、左手に、今日歩いて来た王ヶ鼻、右手に茶臼山が見え、この広い三角形を良く歩いたものだと、  自分ながらに感心する。
 夜は、ホテルで7回目の干支を迎えたと云う、山本小屋の2代目のご隠居さんが、スライドを使いながら、美ヶ原の魅力を解説して呉れた。  美ヶ原は標高2000m余りあるが、「白山から恵那山を結ぶ線から西日本には、2000mを越える山は一つも存在しない」事実を 強調され、標高2000mの意義を改めて認識した。 

 茶臼山 地図の中央「+」印が山頂の場所です

 牛伏山 地図の中央「+」印が山頂の場所です

<長野県小県郡和田村にて>

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21世紀からの山歩き