エカテリーナ宮殿とエルミタージュ美術館   2001年8月11日


 宮殿への入場待ちの観光客が作る長い列(左)

 ホテル・サンクト・ペテルブルグにて、2回目の朝を迎える。  窓の外に見える大ネフカ川の河口には、 ロシア革命の始まりを合図して冬宮に向けて発砲した巡洋艦の「オーロラ号」が見える
 ホテルのロビーには、昨晩観賞したエルミタージュ劇場のバレーのポスターが掲げてある。  ホテル・サンクト・ペテルブルグは、近代的なホテルで対応も良い。 2日目の観光旅行に出発。  現在は詩人の名前から名付けられた「プーシキン」と呼ばれる、皇帝の村(ツァールスコエ・セロ)に来る。
 プーシキンには、ロシアバロック様式を代表する、1756年に完成した「エカテリーナ宮殿」がある。  雨に降られながら、ドヴォルツォヴァヤ通りを歩くと、エカテリーナ宮殿の左端の通用門が見えて来た。  建物に囲まれた中にはに入ると、全長740mにも及ぶと云われるエカテリーナ宮殿が前面に広がった。  ピョートル1世の后エカテリーナ1世が后妃として即位した後、宮殿の建設が始まった。
 宮殿の東側の角には、黄金色に輝く宮殿教会の5つのキューポラが見える。  宮殿への入場待ちの観光客が、雨の中で長い列を作っている。  エカテリーナ宮殿の中に入り、宮殿の内部を見学する。
 エカテリーナ宮殿  地図の中央がエカテリーナ宮殿です        <ロシア サント・ペテルブルグ>
 エカテリーナ宮殿の外観を、  下記の「エカテリーナ宮殿の外観」のボタンをクリックして、24枚の写真でご覧ください。


 内装の全てに琥珀が用いられ琥珀の間(右)

 エカテリーナ宮殿に入り、階段を上がると最初に、舞踏の間である大広間がある。  舞踏の間は、1750年代に、装飾の天才ラストレッリがあり、騎士の晩餐会の間にあるテーブルの上には、 ロシア産の瀬戸物類がのっている。  次の部屋は、柱が赤い「赤い柱の間」、柱が緑の「緑の柱の間」と同じような造りの部屋が続く。
 エカテリーナ宮殿の至宝で、最も有名な「琥珀の間」に到着。  内装の全てに琥珀が用いられ、世界の奇跡と称賛された。  琥珀は第二次世界大戦時に盗まれたが、現在は修復されている。  琥珀の間の次は、18世紀前半の特有のインテリアを持つ「絵画の間」が続く。  ガイドのフイリッポフ・アレクサンドルさんの説明を熱心に拝聴する。
 キャメロンの原画を基に装飾された「緑の食堂」や 中国人の生活を表現した、絹の布が張り巡らされた「中国風の客間」が続く。  窓からは幾何学的な庭園が見える。   大宮殿内部の見学を終えて、宮殿の東側に広がる庭園に出る。
 エカテリーナ宮殿  地図の中央がエカテリーナ宮殿です        <ロシア サント・ペテルブルグ>
 エカテリーナ宮殿の内部を、  下記の「エカテリーナ宮殿の内部」のボタンをクリックして、24枚の写真でご覧ください。


 大黒屋光太夫が女帝に拝謁したエカテリーナ宮殿(左)

 宮殿の東側に広がる庭園に出ると、目の前にボリショイ池と呼ばれる大池が広がる。  対岸には、赤いレンガ造りの建物が二つ見え、右の塔がある建物はレストランになっている。  北岸には、ボートの遊覧の際に休憩所として使われた、白と空色の基調の「グロット宮」が見える。
 池から大宮殿の前面に広がる南東側の庭園に向かうと、南西の端に、白い柱廊が印象的なキャメロンの回廊がある。  エカテリーナ宮殿の南東に広がる幾何学式庭園は、ラストレッリの構想に基づいての造られた。  幾何学式庭園の中央左右には四角形の池がある。  このエカテリーナ宮殿は大黒屋光太夫がエカテリーナ女帝から帰国の許可を得たことで知られている。  彼は日本を出てから10後に帰国し、見聞録「北槎聞略」を書き残した。
 庭園の中には多くの彫刻が見られる、石段の右手に「アンピトリテの像」がある。  大宮殿の北東端に、アーチ型の門を持った建物がある、詩人プーシキンが学んだ「学習院」である。  リツェイ内庭にある、プーキシンの銅像を最後にエカテリーナ宮殿を後にする。  サンクト・ぺテルプルグに入り、プルコスコエ通りからポピェディ広場を経由し、賑わいを見せているセンナヤ広場の脇を通り、   バレー・オペラ劇場でボイショリー劇場として知られている「マリンスキー劇場」がある、 グリンキ通りを更に北上し、通りに面した建物にあるレストランで昼食。  食後にエルミタージュ美術館に向かう。   イサク聖堂のドームやデカブリスト広場に立つ「青銅の騎士像」を望むと、間もなくエルミタージュ美術館である。
 エカテリーナ宮  地図の中央がエカテリーナ宮です        <ロシア サント・ペテルブルグ>
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 ティツィアーノの絵画の前は人垣で近寄れない(右)

 エルミタージュ美術館に到着、美術館に入館するために待っている大群衆に驚く。  先ず、ガイドのフィイリッポフ・アレクサンドルさんに、売店に案内され、 彼が編集・翻訳したガイドブック「エルミタージュ美術館」を買ってサインして貰う。
 女王像が飾られている、ヨルダン川の階段と呼ばれた大使の階段を登る。  黄金に輝くコリント式の列柱と豪華なバルコニーの「紋章の間」がある。  冬宮から小エルミタージュ宮殿へ向かう通路にはタペストリーが飾られている。  小エルミタージュ宮殿に入ると、最初に、クリスタル・シャンデリアで飾られた「パヴィリオンの間」があり、 動いて時を告げる時計の「孔雀」がある。
 ダビンチやティツィアーノの作品が並ぶ。 ティツィアーノの絵画の前は人垣で近寄れす。  昨夜、バレーを見た、エルミタージュ劇場のロビーに出る。  ラファエロ、ムリーリョ、エル・グレコ、レンブラント、ルーベンス、クラハーナ、ルノワール、モネ、ゴッホなどの絵画が続く。  美術館の見学を終えて、ニコラエフスキー宮殿へ。
 エルミタージュ美術館  地図の中央がエルミタージュ美術館です        <ロシア サント・ペテルブルグ>
 エルミタージュ美術館を、  下記の「エルミタージュ美術館」のボタンをクリックして、50枚の写真でご覧ください。


 往時の宮廷生活が再現されてニコラエフスキー宮殿(左)

 エルミタージュ美術館からコンノグヴァツディスキー並木通りのロシア土産店「キャップテン」へ。  並木通りからトゥルダ通りを北に歩き、ブラゴヴェシェンスキー橋に向かう。  シュミット中尉橋(ブラゴヴェシェンスキー橋)から右手にアングリスカヤ通り、上流に宮殿橋(ドヴォルツォヴィ橋)、 対岸の建物の芸術アカデミーを望む。
 土産店の「キャップテン」に戻り、ニコラエフスキー宮殿へ。  工事中で、外観はまるで廃墟のようであるが、ロシア皇帝ニコライ1世の皇子女のために造営された宮殿なので、 内部は豪華な造りになっている。  会場の観客席は既に観光客で満員状態で、ステージでは民俗舞踏ショウーが行われる。  ステージでは、コザックダンスが始まる。 ステージの合間には、御摘まみと飲み物が用意されているドリンクタイムがある。
 ドリンクを楽しんだ後、部屋を出ると、ロビーや階段ではもう一つの催し物が披露されていた。  階段に絨毯が敷かれ、楽師たちも音楽を奏でる、往時の宮廷生活が再現されていた。  観光客は、貴族たちが彷徨う空間に、自由に入り込み、タイムスリップした時間を楽しんでいた。  異次元の世界に陶酔したいたら、二幕が始まるベルが鳴り、再び、コザックダンスが始まる。  男女10余りのダンサーが整揃してのフィナーレで、ロシア民俗舞踏会は終了する。
 ショーの後は、ニコラエフスキー宮殿の宮廷内で用意されているディナーへ。  沢山の食器類がテーブルに載せられ、帝政ロシア時代の食卓を再現している。  皿に盛られた満艦飾の料理に戸惑いながら、ロシア料理を楽しむ。  ニコラエフスキー宮殿を出て、ホテル・モスクワに寄り一服する。  ホテルを出て、アレクサンドル・ネフスキー広場(クラースナヤ広場)から、 ズナメンスカヤ広場(旧蜂起広場)を通りモスクワ駅へ。  夜行列車に乗り込んで、サンクト・ペテルブルグに別れを告げ、モスクワに向かう。
 ニコラエフスキー宮殿  地図の中央がニコラエフスキー宮殿です        <ロシア サント・ペテルブルグ>
 ニコラエフスキー宮殿を、  下記の「ニコラエフスキー宮殿」のボタンをクリックして、46枚の写真でご覧ください。

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