上エジプト       1992年8月10日


 クムヌ神殿は紀元前二世紀のプトレマイオス朝時代に(左)

 ルクソール神殿を後にして、次の目的地であるエナスのクムヌ神殿に向かう。  エナスの町はルクソールの南58kmにあり、上エジプトではアスワンに次ぐ重要な町である。
 クムヌ神殿は紀元前二世紀のプトレマイオス朝時代に、プトレミー六世などによって建造された。  神殿にはナイルを支配する神であるクムヌ神が祀られ、壁画には同神の他、 クムヌ・ラー神とその妻ヌプト神などが描かれている。
 高さ13mの24本の柱が立つ列柱室は、ほぼ完全な姿で残っている。  壁画には祭りや天文学に関する碑文やリリーフで覆われている。
 エナスはスーダンから象牙や駝鳥の羽を運んだキャラバン・ルートの終着点で、 町は白い黄金と言われた綿で繁栄した。
 クムヌ神殿  地図の中央の建物が神殿です              <エジプト エナスにて>
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 エドフにあるホルス神殿の塔門(右)

 次の目的地のエドフは、ルクソールとアスワンの中間に位置し、 ルクソールの南108kmの所にある。
 エドフにはプトレマイオス時代に建てられた、ホルス神を祀る神殿がある。  ホルス神は王権の守護神で、初期王朝時代より王はホルス神の化身として現世に君臨した。
 神殿は長さ137m、 塔門は高さ36mでカルナック神殿に次いで第二の規模である。  塔門を潜り抜けると、大酒宴場と呼ばれる中庭に出る。  中庭の奥には列柱室があり、正面の壁に沿って6本、中央に12本の柱がある。
 至聖堂の見学を最後にホルス神殿を出る。
 ホルス神殿  地図の中央の遺跡が神殿です              <エジプト エドフにて>
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 コム・オンボ神殿の列柱には、ホルス神やコンス神などが描かれている(左)

 コム・オンボ神殿の塔門が見えてくる。
 塔門を潜って中庭に入ると、16本の列柱が台座部分のみ残して並んでいる。  第一列柱室の壁には、ハトホル神やホルス神が描かれている。  ヒエログリフで描かれているカレンダーもある。
 第二列柱室には、コム・オンボの主神であるセクベ神が、鰐頭の人像として表現されている。  外壁の内側に、外科医が使う解剖用のナイフやピンセットなどが描かれ、当時の医学の水準の高さを示している。
 神殿の右手に、神聖な鰐のミイラーが保存されているハトホル神の礼拝堂がある。  コム・オンボからアスワンに向かう。
 コム・オンポ神殿  地図の中央が遺跡が神殿です              <エジプト コム・オンポにて>
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 アガサ・クリスティーの「ナイルに死す」の舞台「カラクト・ホテル」(左)

 アスワンに近づいたら、エレファンティネ島が見えてきた。  エレファンティネ島の中央には、今夜の宿のアスワン・オベロイ・ホテルが見える。
 ホテルで昼食を済ませてから、ファルッカ遊覧のためにナイル川に向かう。  ファルッカは15人乗り、船頭さんは真っ黒なヌビア人。  船頭に代わって、ファルッカの舵取りをする。
 アガサ・クリスティーの「ナイルに死す」で知られている、橙色の「カラクト・ホテル」旧館が見えてきた。  夕食後、渡し舟に乗って、対岸のアスワンの街へ。
 観光客向けのバザールを避けて、裏通りの現地人向けのバザールを散策してくる。  帰国後、英国人観光客がイスラム過激派に襲撃さえ、死者が出たとの新聞記事を目にしてぞっとする。
 カタラクト・ホテル  地図の中央の建物がホテルです              <エジプト アスワンにて>
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エジプトを歩く