那須温泉郷      2016年8月31日


   芭蕉も訪れた、白面金毛九尾の狐が化けた殺生石の前で

 久しぶりの快晴予報に、那須岳最高峰の茶臼岳登山を目指して東北自動車道を北上、蓮田サービスエリアに寄る。  蓮田サービスエリアでは、奥の細道の高速道路としての出発点として、芭蕉の句碑「行く春や・・・」がある。  那須インターから高速を降りる前に、上河内サービスエリアによる。  上河内サービスエリアは宇都宮の直ぐ近くにあり、餃子一色である。 那須インターで出て、県道17号線那須高原線を北上する。
 那須湯本温泉の那須街道沿いにある、那須温泉神社前の県営無料駐車場に到着。 先ず、那須温泉神社に参拝する。  参道脇には、伊勢神宮式年遷宮関係の石碑が並んでいて、古社として伊勢神宮との繋がりを強調している。  参道脇には、「生きる」と命名されていた、標高は18m、胸高周囲4m、樹齢800年の御神木のミズナラがある。  芭蕉が1689年、奥の細道の旅の途中で、温泉神社に参拝した時の「湯を結ぶ 誓いも同じ 岩清水」の句碑もある。  温泉神社拝殿に参拝、、奥に、幣殿、本殿が続いている。 本殿は1607年に那須資晴が建立された。  那須温泉神社拝殿には、那須温泉開湯1385年の文字が見える。 祭神は大己貴命である。
 630年舒明天皇の御代に狩野三郎行広が矢傷の白鹿を追って温泉を発見した。  行広は神社を創建して温泉の神を祭り、後年、那須温泉開発の祖になっている。  738年に、都より貴人が那須に湯治に来たことが記録に残っている。  1185年に那須余市宗隆は屋島の戦いの折、温泉神社に祈願し、扇の的を射止めて、名声を轟かせた。
 本殿の脇には「金毛九尾の狐」を祀ったお稲荷様がある。  金毛九尾の妖狐は昔中国や印度で美しい女性に化けて悪行を重ねていた。  妖狐は、800年前の鳥羽天皇の御世に渡来した。  妖狐は陰陽師阿部康成に正体を見破られて那須野ヶ原へと逃れてきた。  此処でも妖狐は、人々に危害を加え、三浦介義純、上総介広常が退治した。  退治された妖狐は毒石となり、毒気を放って人畜に害を与えた。  この毒石は殺生石と呼ばれ、近寄ることが禁じられた。  会津示現寺の開祖源翁和尚が石にこもる妖狐の恨みを封じ、毒気も少なくなった。  江戸時代には、「玉藻の前」や「白面金毛九尾の狐」は浄瑠璃や歌舞伎の人気演目になった。  妖狐は現在「那須町観光大使」でゆるキャラ「きゅーびー」にもなっている。
 九尾稲荷から坂を下って殺生石に向かう。 芭蕉の句に因んだ「石の香橋」を渡る。 殺生石の前に到着する。  芭蕉は此処で「石の香や夏草赤く露あつし」の句を読んだ。  芭蕉の句碑が立っている。 この句は奥の細道では見られないが、曾良の日記に見られる。 殺生石から賽の河原に向かう。  休憩舎を過ぎると、高台に教伝地蔵が見られ、次に、赤い帽子が目立つ千体地蔵が並んでいる  蛇を助け湯の花の作り方を教えてもらった、五左ヱ門の伝説が伝わっている蛇の首に似た「盲蛇石」がある。  湯川に架かる出湯橋を渡って、那須温泉神社の参拝と殺生石の見物を終える

    那須温泉神社 地図の中央の矢印が温泉神社です      <栃木県那須郡那須町湯本にて>
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 朝日岳や茶臼岳を望むことが出来る苦戸川に架かるつつじ吊橋

 那須湯本温泉郷から、恋人の聖地になっている那須高原展望台へ向かう。  那須高原展望台は、那須湯本温泉郷とロープウェイ山麓駅を結ぶ那須高原有料道路沿いにある。  左手の眼下に、那須野ヶ原が広がる。 展望台は2010年6月に恋人の聖地に認定された。  展望台からは天気の良い日は筑波山まで一望できると言う。  恋人の聖地は、全国のプロポーズに相応しい、ロマンチックなスポットに設置されている。  展望台から西を望む、正面に三角形に見える山は、標高1,589mの黒尾谷岳だろう。  展望台から北西を望む。 左が那須岳最高峰の茶臼岳、右が朝日岳である。
 大丸園地まで来ると、大きな駐車場あり、ロープウェイ駅に行く道と再び那須湯本温泉郷への道に分かれる。  車も観光客の姿も殆ど見られない、此処は、スキー場の拠点で、冬季は大いに混むのだろう。  駐車場の横にある展望台に登る。 大丸園地と殺生石駐車場間は一回りできる ボルケーノ・ハイウェイと呼ばれる有料道路だった。  大丸園地の展望台から北西に、茶臼岳を望む。 山頂に向かうロープウェイが見える。  展望台から那須高原を望む、手前が弁天温泉のようだ。  来る時はボルケーノ・ハイウェイの西側を登ってきたが、帰りは前に見える東側の道を帰ると右回りしたことになる。
 大丸園地から那須温泉郷に戻る途中、ボルケーノハイウェイの左右分岐点を過ぎると直ぐに左手に駐車場入口がある。  現在は無料開放されている那須高原有料道路から東に入り込むと、「つつじ吊り橋駐車場」がある  整備された木道を進むと、長さ130m、川から橋までの高さ38mの苦戸川に架かる「つつじ吊橋」がある。  つつじ吊橋は、足元の木道の中央部に穴が設けられていて、苦戸川の川底や川岸の様子を覗き見ることが出来る。  吊橋からは、朝日岳や茶臼岳を望むことが出来る。  5月〜6月になると、約10万本のヤマツツジ・レンゲツツジなどが、 まるで真っ赤な絨毯を敷いたかのように、見事に咲き乱れる。  那須高原、塩原などを中心に県内の山岳一帯に見られるヤシオツツジは栃木県の花に指定されている。  ホテルのラフォーレ那須には、早いお着きで、部屋の窓から見る外は未だ明るい。 乳白色の温泉に浸る。  ホテルの前は、那須御用邸の敷地が広がっていて森に覆われている。  明日の茶臼岳登山挑戦に備えて、那須高原の眺めと温泉で今日の疲れを癒す。

  那須のつつじ吊橋 地図の中央の矢印がつつじ吊橋です      <栃木県那須郡那須町湯本にて>
ボルケーノハイウェイの風景を、下記の「ボルケーノハイウェイ」のボタンをクリックして34枚のスライド写真でご覧ください。  

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