蔦の細道  2002年2月13日

 石敷きが歴史を伝える蔦の細道(左)

 蔦の細道は伊勢物語に「駿河なる宇津の山べのうつつにも、夢にも人にあわぬなりけり」と歌われ、 平安時代から歩き続けられた小径である。丸子の宿と岡部の宿の間にある宇津ノ谷峠は東海道の難所と 云われてきたが、その南側の峠越えが「蔦の細道」で有り、北側の峠越えが、小田原征伐に秀吉が 行進したと云われている旧東海道である。

 以前から、平安の時代を偲んで、小径を歩きたいと思っていたが、この度、丸子側から蔦の細道を辿り、 東海道400年記念で、極最近整備された岡部の「つたの細道公園」に出て、再び旧東海道を丸子まで帰り、 古代の道を満喫することが出来た。 晴天に恵まれ、一日中富士山が全貌を現して楽しませてくれた ことも嬉しさを一段と増幅してくれた。

<静岡県岡部町にて>



 色採りどりの花を咲かせる丸子梅園(左)

 国道1号線を挟んで、膝栗毛にも登場するとろろ汁の「丁子屋」の反対側にある「丸子梅園」は330種、 800本の梅が、山の斜面に植えられ、小規模ながら纏まりのある景観を示している。 比較的新しい梅園 のため、余り知られていないが、芭蕉の「梅わかな丸子の宿のとろろ汁」や安藤広重の「鞠子」の丁子屋と梅の 組み合わせなど、この地は梅が以前より植えられていたらしい。

 熱海梅園に次ぐ、早咲きの梅として知られるだけあって、既に鑑賞に堪えるだけの開花状況で有ったが、 泉式部ゆかりの最貴重品種「古代紅鶯宿」は未だ蕾が堅かった。 月ヶ瀬梅園の雄大さ、結城神社の梅の 優美さにはやや劣るが、一見に値する梅園である。

<静岡県静岡市北丸子にて>

次のページへ

最近のウォーキングより